GYAOでは珍しく、小津映画の特集のようなものをやっていて、その中の「小津と語る」(1993年)というドキュメンタリーを見た。タイトルは小津と語るであるが、実際は、小津を敬愛している各国の監督が小津を語るという内容であった。その監督と言うのは、香港のスタンリー.クワン(全く知らなかった)、フィンランドのアキ.カウリスマキ(予想通り)、イギリスのリンゼイ.アンダーソン(意外)、アメリカのポール.シュレーダー(タクシードライバーの脚本家だが監督としては印象薄し)、ドイツのヴィム.ヴェンダース(当然)、台湾のホウ.シャオシェン(大本命)、フランスのクレール.ドニ(名前しか知らない)。香港がイランのアッバス.キアロスタミ辺りだったらよりしっくり来る感じであるが、それぞれの小津に対する思いがどれほどのものかと言うのはよく分かった。それと、「晩春」が結構評価が高いと言うのはちょっと意外であった(「東京物語」は別格)。世界の映画作家(監督ではなく)に大きな影響を与えたのは、黒澤ではなく小津であるというのは多分間違いないと思う。