ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

コッポラの胡蝶の夢

2009年08月11日 | 映画


台風の次は地震と、招かれざる客のオンパレードな今
年の夏だ。
空は、台風一過的な天気で久しぶりの青空となったが、
油断は出来ない。
束の間の晴れを惜しむかのように、オニヤンマが一匹
パトロールをしていたが、今年はトンボにとっても過
ごしにくい。
「滝壺ビオトープ」のホテイ草は、このところ、横よ
り縦に成長し、いやに丈が長くなった。
こんなものなのだろうか。

昨日の「イースタンプロミス」に引き続きDVD観賞。
コッポラの「胡蝶の夢」という映画。
と思ったら正確には「コッポラの胡蝶の夢」だった。
当然監督はフランシス.フォード.コッポラ。
この映画、ゲロゲロ少年Yが、コッポラは一皮向けた
と絶賛していた映画だった。
ある種の幻想譚ですよ、などと言っていたので、どん
な内容なのかは興味があった。

確かに幻想譚であった。
雷に打たれて若返り、しかも特殊な能力まで身に付け
言語のルーツを探る旅を続けるその物語は、ホドロフ
スキーの「エルトポ」或いはブニュエルの「銀河」を
想起させる(変態力で劣るが)。
コッポラの過去の作品とは一線を画すその内容である。
幻想譚好きのYが評価するのも頷けるというものだ。
再生願望が強いので、主人公にすっかり同化したのか
もしれない。

始めの30分は、どうにも退屈だったが、徐々に物語り
は展開し始め面白くなったのは確かだ。
絶賛するほどかというのは置いといて、コッポラの作
品の中では好きである。
しかし、それにしてもコッポラは、何故こういう映画
を撮ろうと思ったのか。
「輪廻転生」などを真面目に考えた故とすると、やは
り終わりに近付いているという意識がそうさせたのか
と、どうしても考えてしまう。
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