小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

スマトラ沖地震

2004年12月28日 | コラム
スマトラ沖地震・津波による未曾有の大災害の全容が次第に明らかになってきました。マグニチュードは(M)9・0という巨大地震であり、死者は2万3千人を越えるとの報道もあります。今後、被災地の衛生環境の悪化等から、感染症蔓延などの2次的被害により更に被害が増えることが懸念されます。
日本政府として、出来る限りの支援を実施して頂きたいと思います。

今回の地震情報(主にインターネット情報)を読んでいて、強く感じたことがありましたので紹介します。(少ない情報で判断していますので正確ではないかもしれません。)

今回、これほど被害を広げてしまった原因に、インドネシアやスリランカなどの被災地域には、いずれも津波警報システムがなかったことと、この地域では津波が稀なため地震直後に住民に津波に対する警戒感が低かったのではないか、ということが指摘されていました。
津波警報システムはもとより、住民の意識の低さも私には政治の責任範囲に入ると思います。厳しい言い方かもしれませんが、もし被災地の政府が津波警報システムの構築に予算を振り向け、住民に津波の避難について啓蒙活動を実施しておれば、間違いなく被害はもっと少なかったはずです。

しかし一方で、来るかどうかも定かではない大地震と津波の対応のために、例えば住民が待ち望んでいる学校や清潔な病院の建設を諦められるか、又は、毎年の水害(この地域は水害が多いらしい)を防ぐための治水事業を諦められるかということを考えなければなりません。
政治とは税金の使い道を考えることです。税金の使い道を考えるとはどういうことかといえば、優先順位をつけることです。

学校や病院と津波警報システムのどちらにするか、政治は優先順位を決めなければならないわけです。そして、被災地では津波警報システムの整備を後回しにしたということです。きっと、その決定に国民も納得していたのだと思います。
しかし今回の災害で、その決定が間違いだったことが証明されました。津波警報システムは、優先順位第1位だったのです。たとえ国民に非難されようとも、政府は津波警報システムの構築を進めるべきだったのです。

政治にとってプロセスは重要ですが、評価は結果に対してのみ行われます。結果が間違っていれば、どんなにプロセスが素晴らしくとも評価されません。評価されるべきではありません。
今回の地震で感じたことは、政治は結果が全てであり、その決定は時には人の生き死に直結することもあるということです。我々にはそれ程重い責任があるということを肝に銘じておかなければなりません。