扶桑往来記

神社仏閣、城跡などの訪問記

醍醐の花見の醍醐味(二)

2007年04月07日 | 世界遺産・国宝・重文

まず、上醍醐をめざしたのは、醍醐寺は京都の中心から外れているので度々は来にくいということがひとつ。

山登りなので荷物は少ない方がいい。今日はα7-Desitalを持ってきていないので身軽である。(写真は携帯電話SO903で撮影)


五重塔を左に見て登り口まで行くと女人堂があり、ここで杖を借りることができる。
そこからひたすら山を登ることになる。
今日はそれほど人出は多くはないが、たまに上から降りてくる人と挨拶を交わす。
京都の寺の中にも、鞍馬寺や神護寺、延暦寺のように伽藍にたどり着くまでが修行のところはままあるがここのは格別に厳しい。
勾配はそれほどきつくはないのだが延々続く山道でほとんど登山。


途中、滝と休憩所があるここまで来ると約半分。

つらいのは景色が変わらないこと。

そんな中で気休めは途中途中に「町石」と呼ばれる石標があること。

これには金剛界三十七尊を表す梵字と何番目かが彫られている。三十七まで来ると上がり。
寺のパンフレットでは約1時間とあるが正味1時間かかるものとみた方がよかろう。軽い気持ちで突入してはならない。

突然、山階段がなだらかになって参道っぽくなり、やや下りになるとトイレがあり、寺務所がみえてくる。
ここが上醍醐。
まず、国宝「清瀧宮拝殿」、室町時代、檜皮葺。中には入れない。
その横に例の「醍醐水」であるが飲むことはできず醍醐味は味わえない。
脇の階段を上ると、「准胝観音堂」。

西国第十一番札所でもある。

現在の建物は昭和43年の再建。本尊准胝観音は秘仏で毎年5月18日の御開扉法要前後3日間開帳。
この隣に休憩所がある。喫煙者はここで一服可。

続いて国宝「薬師堂」、本尊は薬師三尊像であるが、実物は下の霊宝館にありモヌケの空。覗いてみてもむなしい。



これも檜皮葺。寺の御堂としては珍しいのではないか。

しばらく行くと左手に石段登って五大堂でこれは昭和の建築。

拝観料いらずで中に入れる。ここの本尊は五大明王(大威徳明王像・木造不動明王・降三世明王、軍荼利明王、金剛夜叉明王像)で重文。
ここまで登ってきた苦労の甲斐もあってなかなか趣深い。仏像好きにはたいそう慰めとなろう。上醍醐でふつうに拝めるのはこれだけ。

石段を下りると飲料水の自動販売機を発見。値段は俗世間価格。
五大堂と反対方向に重文「如意輪堂」、桃山時代の建築の懸造、清水の舞台。



ここまで来ると如意輪観音のご褒美、絶景ポイント。

如意輪観音はおられないが。


宇治川方面

すぐ隣に重文「開山堂」、内陣に開山聖宝理源大師像、左に弘法大師像、右に醍醐寺第一世座主・観賢僧正像が安置されている。

この辺りは天気が良ければお弁当ポイントとして最適。

上醍醐の諸堂は、豊臣秀頼名義で再建されている。

関ヶ原の後、豊臣家の金銀を浪費させるために徳川家康がそそのかした結果である。

醍醐寺は下醍醐は父、上醍醐は子と豊臣親子に世話になっていることになる。

山上から遥か河内平野をみて山を降りる。
下りは行きよりは楽とはいえ、時間はそれなりにかかる。
途中休憩を入れたとして3時間はかかるわけで夏場・冬場は特に気をつけて行くべきであろう。

ともあれ、山上の国宝建築物と明王をみられたので満足した。


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