扶桑往来記

神社仏閣、城跡などの訪問記

松阪市「氏郷まつり」

2011年11月03日 | 街道・史跡

9月に伊勢・近江の城をいくつか廻った。
その取材を元にした文章は近々まとめて書籍として世に出ることになろう。

ちょうど松阪で「氏郷まつり」をやっているのに合わせて再訪した。
写真を撮るためというのも目的のひとつである。

今日は近鉄電車で行った。
駅から松阪城の方へ歩いて行くとさすがに人出が多い。
屋台がずっと続いていて切れ目がない。

祭の目玉は戦国武者行列、それに日野町から鉄砲隊が来ていて演武をやる。
時間があるので産業振興センターの展示をみて時間をつぶす。
氏郷の生涯をおさらいするのにはちょうどいい。

蒲生氏郷という男は実にすがすがしい。
戦国大名にありがちな暗さというものが見つけにくい。

表面的には信長と秀吉という上司に一切逆らわず、どんな仕事も「はいはい」と請け負ってミスがないところから典型的な官僚タイプ、おもしろくないと脇役にされがちである。

氏郷のおもしろさは余芸に巧みなところで、歌に茶道にと抜きんでて優れていた。
確かに公務員でしかなかったろうが趣味に生きた人でもあった。
青白い顔をした文化人というとさにあらず。
戦陣にあっては常に先頭を行き自ら槍働きをしたがるタイプである。
部下に熱狂的に愛された。

氏郷は行政官としても武人としても超一流。
そしておとこぶりも当代一。
逸話はいくつもあるが悪口を叩かれたようなものがないことも特筆ものである。

であるのに氏郷を主人公とした小説もドラマも少ないのはどうしてか。
氏郷を知っている人は少なく愛する人も少ない。
これは寂しい。
しかし松阪や会津といった氏郷ゆかりの町は別、さればこそ「氏郷まつり」をやる。

展示をみてもなお時間があったので阪内川を渡り文化会館へいく。
ここに展示してあるという氏郷の鯰尾の兜(複製)をみたかった。
しかし、ここに兜はなかった。
氏郷まつりで使用するという。

まつりの会場に戻ってみると行列がはじまっていた。
青年期から壮年期まで、烏帽子、銀の鯰尾兜、燕尾型兜の三人が馬上行く。
鯰尾は松阪市長である。
市長になれば氏郷を演じられるというのは選挙戦のモチベーションになろうか。

続いて日野町鉄砲隊の演武。
火縄銃というのは何とも豪快な音、壮大な煙である。
日野の鉄砲産業は氏郷のじいさまが城下に職人を集めて造らせた。
こういう歴史つながりを大事にする風潮はもっと高まってもいい。


3


三種類の氏郷武者姿

Photo
松坂城の縄張模型を見つけた

 



YouTube: 日野鉄砲隊






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