日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

熊谷には不安な時間帯別電気料金

2012-05-11 | ニュース雑感
今日は節電の夏に向けた電力料金を考えてみます。

報道によれば、この夏の電力料金は時間帯別の料金体系を導入する方向とか。午後1~4時の電力消費ピーク時の料金を標準料金よりも高くし、電力消費が減る夜間料金を安くして、昼の電力使用を抑制し夜間の使用を後押することで平準化をはかろうというものです。先行して時間帯別電気料金制度を実験運用している九州電力では、基本使用料を単位あたり20円に設定し、昼のピーク料金を50円と2.5倍に、逆に夜間を8円と半額以下に下げるというやり方をしているそうです。

東電がどういう料金体系にしてくるのか現時点では不明ですが、まぁ似たりよったりのものになるであろうことは想像に難くないところです。ただちょっと待ってくださいよ。この手の問題でやはり問題視されるのは東電管内における地域間での公平感の確保です。もちろん、絶対的な公平感確保などはあり得ない訳ですが、そのあたりを少しでも考慮してもらえるのか否か個人的には大変気になるところであります。

何のことを言っているかと申しますと、暑い地域と普通の地域と比較的涼しい地域と同条件はないよねと、日本一暑い街に住む身からすれば思う訳です。分かりやすく具体的に言えば、例えば熊谷市と東京23区と群馬県榛名湖畔と、同じはないんじゃないかと…。8月猛暑ピーク時の最高気温35度前後の東京と、最高気温40度前後の熊谷と、最高気温30度前後の榛名と、エアコンなしで我慢できる度合いも違うのではないかということです。月間の平均最高気温と言うデータで見てしまうと数字的には、1度とか2度とかの差しか出ないのでしょうが、住んでみないと分かりませんが全然違うのですから。

都内は確かに暑い、でも実際に耐えられない暑さは意外に夜だったりします。逆に熊谷は夜はまだまし、でも昼の殺人的な暑さは異常です。「今日も熊谷の最高気温は38度でした」とかよくニュースで報道されますが、これは百葉箱水準で計ってこの気温。実際の市街地コンクリート・ジャングルでは45度とかザラじゃないのかなと思います。エアコンなしは自殺行為です。ちなみに我が家は、東京から熊谷への転居以来、決まって8月に家電製品が壊れています(ここ3年間は冷蔵庫、エアコン、テレビです)。いかに異常な暑さかご理解ください。他方、夏場に合宿研修等で訪れたことのある群馬県榛名湖畔あたりは、まぁ「涼しい~」まではいかないにせよ、午後の暑さもエアコンなしで十分我慢できるレベルかなと。

この3者を同じ基準で運用されたのでは、「熊谷で昼のエアコン我慢のお年寄りまた死亡!」とか、そんな新聞の見出しが今から目に浮かびます。このあたりなんとか配慮して欲しいものです。昼のピーク時の電気料金が通常の2.5倍もとられてしまうなら、「我慢しょう!」ってことになりますよね。政府も「クールシェア」なる運動を掲げて民間店舗等の「涼みスペース提供」の働きかけも始めているようですが、まだまだ浸透までには時間が必要な状況と思います。都会ならピーク料金時間はショッピング・センターとかに日中涼みに出るも可能ですが、一歩下がった住宅地や田園地帯ではそれもできない。移動の足を持たないお年寄りはなおさらです。

東電の時間帯別料金の導入が正式申請されるなら、政府は猛暑地域での悲劇を生まないよう対策は十分考えて認可して欲しいところです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿