日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

“ヤラセ発覚?”に思う ~ 朝日新聞グループの病んだ組織風土

2008-02-13 | その他あれこれ
本日はマスコミの報道のあり方に一言。というもの、またもやテレビ朝日が“ヤラセ”をやらかしたというニュースを耳にしたからです。

今回の“ヤラセ”は、志賀高原で野生のサルが山を下りて町に出没し旅館などが困惑しているとの報道が、実はテレ朝がサルに餌付けして町におびき寄せるという“ヤラセ”をしたものであるとのことなのです。当地の旅館のブログで、この事実が書かれ発覚しました。とここまでは、昨日朝の段階のWEB情報。

その後WEBでの“祭り”を受けて、テレ朝が本件を全面否定。ホテル側も、証拠がないとの理由から、一転ブログ削除と言う不可解な展開になってしましました。まぁ、今回の事実関係がどうであれせっかくの機会ですので、昨年の「マクドナルド店長ヤラセ事件」を題材に、朝日新聞グループのマスコミとしての姿勢の問題点については指摘をしておきたいと思います。

朝日新聞系列は以前より“ヤラセ”の宝庫です。古くは85年のテレ朝ワイドショーの暴走族の「やらせリンチ」報道。さらに社会問題化した歴史に残る“ヤラセ事件”、89年のサンゴ事件は朝日新聞本体でした。沖縄のサンゴにイニシャルを刻み込んで、それを「心ないダイバーの仕業」として新聞1面の写真記事で取り上げたものです。この一件以来、ヤラセを平気ですることを「アサヒる」と言われるようになり、「ヤラセ=朝日」のレッテルが貼られるようになったのです。

その後もたびたび“ヤラセ”問題は勃発。記憶に新しい昨年11月には、「マクドナルド店長ヤラセ事件」が起きました。テレ朝系夜の報道番組「報道ステーション」内で、マクドナルドの賞味期限切れ商品改ざん事件に関連して、「元店長代理の証言」として店員の制服を着て店長代理のバッジをつけた元店員なる人物が内部告発の発言をするという行き過ぎた演出が、番組側の「ヤラセ」であったという一件です。

12月に謝罪コメントしたメインキャスターは、番組中、告発発言者に過去の制服や名札を着用させて出演させたことに関し、「これはほんとうに間違ったやり方です。申し訳ありませんでした」と謝罪したものの、「あえて『報道ステーション』は、そのことを報告させていただきました」との発言をしたのです。

疑惑を投げられて、自分たちが間違っていたのなら、お詫びして事情を詳しく答えるのが当然の義務でありながら(彼らはいつも、そういう態度で対不祥事企業取材に臨んでいる側なのです)、「あえて」とは何の思い上がりでしょう。

「あえて」の意味を辞書でひいてみると、「(しなくてもよいことを)強いてするさま。わざわざ。無理に。」とあります。しなくてよいことを無理に…?「ヤラセ」というマスメディアとしてやってはいけないこと、すなわちコンプライアンス違反を犯していながら、この言い草です。本当に「朝日」は勘違いも甚だしいマスコミです。「官系組織」と同じく、「朝日新聞グループ」の組織風土がそうさせているとしか言いようがありません。

これはまさに、朝日新聞グループ内に蔓延する大手マスコミの特権階級的「思い上がり」に他なりません。そして、マクドナルド事件のような「ヤラセ」はイコール「コンプラ違反」であるとしっかり認識したうえで、マスコミとして取り返しのつかない過ちを犯しているのだと言う理解を、グループ全社員に行きわたらせることが必要なのではないかと思うのです。あの「思い上がりコメント」を聞いている限りでは反省の色など全くなく、「ヤラセ事件」は必ずまた起きると断言していいと思います。

先のコメントににじみ出ている、世論という時代の「空気を読めない」ほど思い上がりの激しい朝日新聞グループの体質。思い起こせば、89年のサンゴ事件の時、“ヤラセ記者”が刻んだイニシャルは奇しくも「KY」。なるほど「空気が読めない」のも、その当時から受け継がれた同新聞グループの組織風土のようです。

(本日のブログは、一部掲載情報の真偽につきまして、その後疑義が生じたため、筆者の判断により一部内容を差し替えさせていただきました。14日9:30改訂)

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