日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

「美人すぎる市議」の“やってはいけない”

2012-05-15 | ニュース雑感
2月の市議選で当選し“美人すぎる市議”などともてはやされていた、タレントで新座市議の立川明日香さんが、「立候補に必要な居住実態がなかった」として市選挙管理委員会から「当選無効」とされたことを不服として、県選管に審査を申し立てたとか。

立川さんは、東京都足立区の出身で昨年9月までは練馬区在住。同月新座市に住民票を移し2月の市議選に立候補しています。公選法では被選挙資格を「選挙区内での3か月以上の居住実態」規定していて、彼女は住民票上は3か月以上の“居住”があったものの、市民からの申し立てを受けて実態調査を実施した新座市選管は、「昨年10月から今年2月まで水道の使用実績が0」などを理由に「居住実態なし」として先月「当選無効」を決定していました。

昨日会見した明日香さんは、「昼は東京で仕事や政治活動をし、夜帰って寝泊のみまりする生活をしていた」「風呂は練馬区のマンションや外で入っていた」「洗顔する暇がなかった」「トイレはコンビニで借りた」と、「水道を使わない居住実態」を強調していたよとか。あまりに子供じみた言い訳ではないですか。「居住実態」の意味がお分かりでないようで。コンプライアンスにおける考え方が、「法律に形式上違反していなければよい」のではなく、「気持ちの面も含めた実態が法令に沿っている」ことが求められるのと同じ。彼女が問われているのは、「あなたは胸を張って新座市民の明日を考えられると言えますか」ということなのです。

生活パターンの話とか、水道使用の言い訳とか、そんなことはどうでもよろしい。そもそも、足立区出身で練馬区在住だったあなたがなぜ新座市議なのか、そこの説明に市民が納得できないから巻き起こった騒動であり、「居住実態なし」の決定であるわけです。自分が指摘されている「居住実態なし」の真意や、問題の焦点になぜ気がつかないか、です(まぁ気がついていても気がつかないフリで、せっかく手に入れた「既得権」を手放すまいとしているのかもしれませんが)。

過去の彼女の新座市議出馬説明によれば、「新座市は練馬区と隣接した地域であり親近感を感じていた」という程度のもののみ。「自分の政治的テーマを実現する場所として、その顕著な問題を抱える市町村として新座市を選んだ」とかの理由があってしかるべきなのに、それは全くない。「議員になれればどこでもよかった」「たまたま近くで選挙があったから」が理由であると思われてもしかたない状況です。

似たような話が最近他でもありましたね。カンボジアのオリンピックマラソン代表の座を取り消された芸人猫ひろし氏。彼もカンボジアでの居住実績がないということが、代表の座取り消しの理由でした。国際問題であるか否かの差こそあれ、立川さんもほとんど同じ。市議は市民生活の将来を預かる立場である重責ポストな分、オリンピック代表よりもよほど問題は深刻であると思います。

猫氏は潔く身を引き「カンボジア人として4年後のリオをめざす」と宣言しました。猫氏の肩を持つつもりはありませんが、少なくとも引き際のよさと今後に向けた姿勢には好感が持てるものがあったと思います。立川さんもここは一刻も早く潔く身を引き、「本当の市民として生活を始めることから出直して、次回は誰からも認められ当選できるようがんばります」と宣言すべきでしょう。この後、県選管の決定を不服とするなら問題は法廷に持ち込まれることになり、粘れば粘るほど市議の身分は継続されて、余計な出費を新座市に続けさせることにもなります。

立川さん、あなたが本当に新座市と新座市民のことを思うのであれば、政治家としての“あるべき”対応をしっかり示して欲しいところです。地方と言えども政治をなめるなよ!

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