日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

<NEWS雑感>11/10号「麻生首相、西武ライオンズ、筑紫哲也さん」

2008-11-10 | ニュース雑感
●景気回復後「ぜひ消費税上げを」=麻生首相●

小さな政治ネタでも、ブログですから頭にきたことは書くことにしています。昨日麻生首相が水戸市内で遊説して、「景気対策をまずやって、そこそこ景気を良くして、ぜひ消費税を上げさせてください」その発言したとか。違うんじゃないですか太郎ちゃん。もちろん、福祉財源の確保に向けて、国際的に見て低いと言われる日本の消費税引き上げは将来的に必要な施策ではあります。しかし、まず掲げるべき条件は景気回復だけではなくて、官僚、公務員の無駄遣い削減が最優先ではないのですか。目に見える形でそれをしないで、国民の理解が得られる訳がありません。

特別会計の不透明な扱いや、各自治体の不正経理が問題視され続けている今、景気回復だけを条件に消費税引き上げを口にするのは、非常識ですね。何をおいても、無駄の徹底的排除と改善。「無駄の削減を進めます」ではなく、明確な削減に向けた施策目標を掲げ、それを達成したときには消費税の引き上げを検討させてもらうと明言するべきではないですか。どこを改革しいくらの無駄遣いをやめさせるのか、トータルでいくらの財源をねん出するのか、明確に期限と目標を設定すべきです。手始めに「予算編成作業は午後10時終了。官僚のタクシー帰りは全面禁止」を、今回から早速徹底してください。官僚の常套手段である、都合の悪い問題は通り過ぎるまで息をひそめて“死んだフリ”、の思う壺にはまっているんじゃないですか?


●西武日本一、MVP岸「西口さんに投げさせたかった」●

西武ライオンズが、日本シリーズで原巨人を4勝3敗で破り、見事今年のプロ野球日本一に輝きました。MVPを受賞したのは、今年2年目の岸投手。シリーズ2回の出番を完璧に抑えた功績が評価されました。特に、巨人に大手がかかった第6戦での力投は、流れを再び西武に戻した大きな活躍でした。その岸投手。MVP受賞のインタビューで、“背水”の第6戦での好投に対して、「7戦目で西口さんが投げるのを知っていたので、投げさせてあげたかった。投手陣を支えてくれた先輩なので」と、今年のチームを象徴するような一言が聞かれました。負ければ終戦のマウンドで大先輩への思いが熱投を駆り立てた、とは実に強いチームのあるべき姿そのものです。

当然その陰にあるのは、指導者の風土づくり。明らかに力に衰えが見える36歳の先輩投手と、上昇一途の2年目若手投手が力をあわせてひとつになれる雰囲気をつくれたことは、渡辺監督の素晴らしい指導力あってのことと思います。指導者が実力主義一辺倒に走らず、衰えゆくも功労者たるベテラン選手への敬意ってはじめてなせることであると思います。それともうひとつ、忘れていけないのは、西口投手も生え抜きのベテランであると言う点。“寄せ集め”巨人軍との違いが、プレーヤー間の「絆」さらにはチームのまとまりにも大きな違いにつながっていることが、はからずも浮き彫りになった形でした。西武の「“EQ”渡辺イズム」が、読売ナベツネの「“札ビラ”渡辺イズム」に勝った、そんなマネジメントにも活用できそうな出来事でした。


●追悼 筑紫哲也さん●

ジャーナリストで、ニュースキャスターの筑紫哲也さんが7日ガンのため亡くなられ、9日葬儀が執り行われました。朝日新聞の記者出身で、確固たるジャーナリスト魂をもって活字から電波に主要媒体を変えつつ大きな影響力を持って、独自の報道姿勢を貫いた方でした。個人的には、現在問題ばかりが目立つ朝日新聞全盛時代の“良心”であったと思います。平和維持を最大の信念とした報道姿勢はもとより、オウム真理教の坂本弁護士殺害事件で、取材情報の不適切な“流出”が問題になった際には、「TBSは死んだ」と自らの番組を扱う放送局を糾弾し再生を促す姿勢を示し、立場に左右されない判断能力と行動力を強く印象づけられもしました。

一般的にはテレ朝のニュース・ステーション久米宏キャスターが、電波報道のあり方を大きく変えたように見られていますが、確かにニュースの“ショー化”という点で久米氏が果たした役割は大きいものの、本当の意味で電波媒体におけるジャーナリズム改革を推し進めたのは、筑紫氏の「多事争論」に他ならないと思います。氏の新聞社デスク、「朝日ジャーナル」編集長という経歴に裏打ちされた理路整然たる論点は、まさに「鍛えられた主観」を感じさせるものが多く、私も参考にさせてもらう場面が多々ありました。今はその「多事争論」をもう聞けない寂しさを、ひしひしと感じています。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2008-11-10 23:18:13

『椿事件』

1993年9月21日、民間放送連盟の「放送番組調査会」の会合の中で、
テレビ朝日報道局長の椿貞良が、選挙時の局の報道姿勢に関して

「小沢一郎氏のけじめをことさらに追及する必要はない。
今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、
なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる
手助けになるような報道をしようではないか」

との方針で局内をまとめた、という趣旨の発言を行う。

(ウィキペディア「椿事件」)
返信する

コメントを投稿