日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

NEWS雑感 ~ 「衆院解散・総選挙」「キリン&サントリー統合?」

2009-07-13 | ニュース雑感
●都議選惨敗→解散総選挙に思う

都議選での自民党の惨敗を受け、ついに衆院解散→総選挙の日程が決まりました。今回私が問題視する点はどこでしょう?麻生総理の対応?いやいや麻生総理の対応は今回ばかりは理由はどうあれ選択は正しいと思います。都議選戦前に麻生総理は「国政とは一線を隔する」とは言ってはみたものの、戦後2番目の高投票率をもたらしたものは明らかに国政に対する意思表示をした都民の姿勢そのものであり、その都議選で大惨敗した以上、国民に信を問うのは至極当然の流れであります。従って、“麻生おろし”を旗印として「解散先送り→麻生辞任→総裁選→総選挙」を求める声も聞こえていましたが、今回の麻生総理の「決断」は正しいと言ってよい訳です。

となると問題は?そう、「解散先送り→麻生おろし」で時間稼ぎしつつ小手先でのごまかし策により、何とか衆院戦での自身の当確だけは確保したいと考えていた自民党“政治屋”のセンセ方です。考えても見てください。国政の前哨戦と目された東京都議選で大惨敗した訳で、国民の側を向いている政治家であるなら、既にここまで1年弱引き延ばしに引き延ばしてきた訳ですから、「即時解散し国民の信を問うべき」と考えるのが当然です。それを、少しでも先延ばしせよと言うのは国民の側に立つことなく、自身の当選のこと以外全く頭にない“政治屋”に他ならないのです。

今回の総選挙は自民党の“政治屋”一掃の選挙でもあります。皆さん、ここ数日の政治家先生方の発言をよーく覚えておきましょう。上記の考え方で見ていけば、誰が国民本位であったか誰が“自己中”であったか簡単に見破ることができるじゃないですか。民主党への政権交代そのものには大きな期待はできない気がしていますが、選挙によって少なくとも“親方日の丸体質”で腐りきった自民党の“政治屋”のセンセ方に引導を渡せればよいと思います。くれぐれも“自己中”に投票しませんようご注意を。


●キリン&サントリー統合?“抜き記事”のネタ元は誰?

自民党都議選惨敗のニュースの陰で、日経が1面アタマでとんでもない“抜き”をやってくれました。キリンとサントリーが経営統合を検討しているというもの。これは大ニュースです。このニュース、もし本当に実現するなら喜ぶべきか悲しむべきかですが、私は悲しむべきと直感的に思いました。なぜって、業界を代表する2社は、ビール、ウイスキーと得意分野は違うものの、アルコール・ノンアルコール飲料分野で幅広くしのぎを削っていい戦いをしている訳ではないですか。メーカー同士がしのぎを削るというのは、顧客に向いたより良いサービス、より良い商品開発に力を注ぐことになる訳で、顧客本位の業界の活性化という点では大いにプラスな訳です。

ところが、大手2社が統合することでスケールメリットが当然生まれる訳で、収益性の向上と絶対的マーケット・シェアの確保がされ、そうなれば対顧客サービスに関しては低下要因になりかねないのです。強力なライバルが1社減る訳ですから、普通に考えれば競争環境はかなり楽になりますからね。自社の仕事に置き換えて考えてみるとよく分かります。強力なライバルがひとつ減ってこれまでと同じように商品開発、サービス向上に力が入るかというと、どう考えても疑問な訳ですから。発泡酒だ第三のビールだと次々開発してきた日本の飲料業界の緊張感はかなり緩み、我々消費者にはその点で大きなマイナス要因になるのではないかと思われるのです。

さてさて、今回の“抜き”誰がリークしたかです。普通一般的にM&Aや統合案件で、発表直前のリークは意図的な“ぶち上げ”のケースが多いのですが、今回のような検討段階でのリークは、“案件つぶし”のケースが多いと言われています。なぜなら、早い段階でM&Aや統合案件が表に出ることで、いろいろ横ヤリが入りやすくなりうまくまとまるモノも、まとまらなくなるのが常なのです。なるほど、ならば今回の“抜き”のネタ元は、経営統合を良しとしない人ですね。ということは、統合で商品開発力の低下を懸念する本当のビール好き、本当の缶コーヒー好きの関係者かもしれませんね。

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