日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

今年の10大NEWS④~3位・2位

2009-12-30 | ニュース雑感
★3位★「忌野清志郎さん死去。葬儀に4万人以上が参列」
今年のゴールデン・ウィークまっただ中の5月2日、ロックシンガーの忌野清志郎さんが58歳の短い生涯を閉じられました。日本のロックを形作った第一人者であり、原発への抗議やその流れでの発売禁止への徹底対峙姿勢などを「ロックってそういうものだろう」と、音楽だけにとどまらない日本のロックのスタイルを作り上げたまさしく“キング・オブ・ロック”な存在でした。個人的には決して大ファンではなかったのですが、何かに掻き立てられるように5月9日青山斎場での葬儀(「青山ロックン・ロール・ショー」)に参列してきました。並んで並んで歩いて歩いて、想いを巡らせ、考えさせられ…約6時間。不思議なほどの充実感を与えてくれた貴重な体験でした。何か大きなものを確実に受け取って帰ってきました。音楽を愛し、平和を愛し、家族を愛した心根の優しい清志郎の魂は、我々音楽ファンの中でずっとずっと生き続けていくことでしょう。世間一般はともかく、私にとってはマイケルの死よりも遥かに大きな出来事でした。

★2位★「ユニクロ・H&M…歴史的大不況下に咲いたビジネス・トレンド」
昨年のリーマン・ショック以来の大不況下で消費者の財布のひもは硬くなる一方。大半の企業が消費の冷え込みにあえぐ中、不況下トレンドに乗って業績を伸ばしたり世間の話題を集めたりした企業や商売もいくつかみられました。不景気が後押しした代表格はユニクロでしょう。990円ジーンズの価格破壊的商品開発力は他の追随を許さないものでした。でも、ユニクロは単に安いだけで売上を伸ばした訳ではありません。品質の向上とブランド・イメージ向上に多くのコストを裂いてこそ、その飛躍的業績進展を成し得たのです。前回のデフレ不況期にユニクロと共に飛躍的に業績を伸ばしたシマムラが今年苦戦をしいられたことを考え合わせれば、いかにユニクロの戦略が優れたものであったか分かろうと言うものです。海外勢でも、安いのにデザイン性に優れていると若い女性たちから高い評価を集めたスウェーデンのH&Mも大きな話題を集めました。もうひとつ、形を変えた「値引き」でありながら“アイデア商法”的にブームになったデパート発の下取りキャンペーンも各社の売上進展に貢献しました。要するに、尋常でない硬さの消費者の財布のひもを緩めるには、単なる「安い」ではダメ。質やプラスαのお得感など、消費者心理を熟知した上での工夫やアイデアが必要とされるのがこの不況を勝ち抜く消費者ビジネスであるという訳です。「燃費がお得+エコ」のハイブリッド・カー人気もまさしくこの流れです。この辺が100円ショップが飛躍的に売上を伸ばした前回のデフレと、100円ショップが苦戦をしている今回のデフレの大きな違いであると思います。