日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

今年の10大NEWS③~5位・4位

2009-12-29 | ニュース雑感
★5位★「オリンピック東京開催夢と散る」
2016年のオリンピック開催に名乗りを上げていた東京は、残念ながら落選。1964年以来52年ぶりのオリンピック開催はなりませんでした。今回のオリンピック誘致合戦は一般的に、「日本が苦手とするロビー活動の差」が出たと言われていますが、昨年の一次選考後の下馬評を全くひっくり返したこの結果は、むしろアメリカを中心とした世界運営の流れが昨年のリーマン・ショック以来大きく変わりつつあることの象徴であったように感じています。最終選考にに残ったリオデジャネイロ、マドリード、シカゴ、東京の4都市で、真っ先に落選したのがオバマ大統領自ら応援演説に乗り込んだUSAのシカゴで次が盟友JAPANの東京だったことと、そして最終的に開催地に選ばれたのがBRICsの「B」のリオデジャネイロだったことは無関係ではないと思うのです。21世紀最初の10年最後の年である2010年に向けて、GDP1位と2位の米国と日本は今後世界の自転軸が変わっていくであろうことをどのように認識し行動していくべきなのか、「落選」以上に大きな課題を与えられたのではないかと感じさせられました。

★4位★「新型インフルエンザ流行でマスメディア、企業が過剰反応」
今年の前半に大きな話題となったのが新型インフルエンザ感染の問題でした。新型インフルエンザそのものが大きな問題であったというよりも、マスメディアの過激すぎる報道とそれを受けた企業の過剰反応が一種の社会問題的パニックを引き起こしたことを我々は忘れてはなりません。「国内で初の感染者」という報道あたりまでは、まだ良かったものの、その後各地でポツリポツリ感染者が出るたびに、「感染した奴は極悪人」「この時期に海外に行くとは何事か」「感染者を出した企業は管理不行き届き」のような論調が相次ぎ、感染者を出した学校では校長が“涙の会見”をするなど異常な事態が相次ぎました。某銀行店舗ではスタッフ全員がマスク姿で店頭に出たり家族に感染者が出たら出勤禁止とか、「確実に死に至る病」でもないのに過敏すぎる対応がまかり通った原因はひとえにマスメディアの異常に危機感を煽る過激報道にありました。この冬の時期の方がよほど新型がはやっているにも関わらず、銀行行員の一斉マスク姿も家族発病による「自宅待機」も姿を消しました。企業には今となってはお笑いレベルの自分たちの過剰対応の原因究明を求めるとともに、マスメディアの過激報道姿勢には猛省を促したいと思います。