温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

川渡温泉 板垣旅館 2017年再訪(新館)

2017年12月01日 | 宮城県
 
前回記事の中山平温泉から東へ進んで、私が大好きな川渡温泉へとやってまいりました。この日は温泉街のメインストリートからちょっと奥へ入ったところにある「板垣旅館」を訪い、日帰り入浴で新館のお風呂に入らせていただきました。なお、以前拙者ブログでは旧館のお風呂を取り上げています(当時の記事はこちら



敷地内の左手に新館、右手に旧館が並んでいるのですが、まずは旧館へ。


 
以前の記事でも紹介しましたが、旧館玄関の上がり框にはケロリン桶が置かれており、入浴する場合はここに湯銭を納めます。この時は奥の居間に宿の方がいらっしゃったので、声をかけた上で湯銭を支払いました。引き戸の柱には料金表が貼り付けられているのですが、いつの間にやら値上げされたのか、新しいものに替えられていました。


 
旧館玄関から板張りの廊下を歩いて、旧館浴室の左側を入って連絡通路を進みます。


 
連絡通路を抜けた先が新館の玄関ホール。旧館と同じ旅館とは思えないほど、現代的で整然としています。このホールのエントランス右側に紺と紅の暖簾がかかっていました。


 
お風呂は男女別の内湯のみですが、天井が高い室内は明るくて開放的であり、のびのびと気持ちよく利用することができます。またこの浴室内には川渡温泉ならではのツーンと鼻腔を刺戟する硫化水素の匂いが漂っており、ドアを開けた瞬間に香ってくるその匂いに私は嬉しくなって、反射的に鼻をクンクンと鳴らしながら匂いを懸命に嗅いでしまいました。
男湯の場合、浴室に入って右側に後述する浴槽が据えられており、左側に洗い場が配置されています。洗い場にはシャワー付き混合水栓が3つ並んでおり、カランからは真湯が吐出されます。


 
タイル張りの浴槽は石材で縁取られており、寸法はおおよそ1.8m四方。浴槽隅に設置された湯口より温泉が滔々と落とされています。湯使いは完全掛け流し。一切お湯に手を加えず、湯量の増減だけで湯温を調整しており、私が訪問した時も素晴らしい湯加減に調整されていました。


 
浴槽縁の端っこに切り欠けがあり、湯船に張られたお湯はそこから溢れ出ています。お湯は全量がここから排出されるため、浴槽縁を乗り越えて洗い場へオーバーフローするようなことはありません。


 
湯船のお湯は淡いウグイス色を帯びた透明ですが、湯中では溶き卵のような白い湯の花がたくさん浮遊しており、風呂桶で湯船のお湯を掬うと、上画像のように簡単に湯の花を捕らえることができます。湯口から吐出されるお湯を口に含んでみると、タマゴ味と苦味、清涼感を伴う重曹味、そして口腔の粘膜が痺れるような渋みが感じられ、鼻をツーンと刺激する硫化水素臭がしっかりと伝わってきました。また肩まで湯に浸かると、全身が重曹泉らしい滑らかな浴感で覆われ、その気持ち良さゆえ、何度も自分の肌をさすってしまいました。そして、重曹の効果が発揮されることにより湯上がりは粗熱の抜けが良く、嫌味な熱の篭りがないため、よく温まるのに爽快感も持続するという実にありがたい風呂上がりのひとときを過ごせます。さらには、風呂上がりの肌はサラサラさっぱり。温度的も感触的にもさっぱり爽快なお湯です。同じ川渡温泉の共同浴場で使われているお湯は同じような知覚的感覚を有しながら、それぞれの特徴が強く感じられるのに対し、こちらのお湯はそれに比べるとややマイルドなのですが、優しいながらも各特徴ははっきりと主張しており、川渡温泉らしさを存分に味わうことができました。なおこちらで使われているお湯の源泉名は「神の湯」。まさに神の恵みという表現が相応しいブリリアントなお湯です。


神の湯
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉 49.8℃ pH7.6 溶存物質1002.1mg/kg 蒸発残留物783.4mg/kg
Na+:202.8mg(78.33mval%), Ca++:31.9mg(14.12mval%),
Cl-:27.8mg(6.96mval%), HS-:6.6mg, SO4--:181.7mg(33.75mval%), HCO3-:391.4mg(57.23mval%),
H2SiO3:139.1mg, CO2:47.3mg, H2S:2.1mg,
(平成21年11月25日)
加水加温循環消毒なし

JR陸羽東線・川渡温泉駅より徒歩20分
宮城県大崎市鳴子温泉川渡64  地図
0229-84-7225

入浴可能時間不明
500円
シャンプー類あり、他備品類見当たらず

私の好み:★★★

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中山平温泉 菊地旅館 | トップ | 東鳴子温泉 いさぜん旅館 前編 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おかえりなさい (hitareri)
2017-12-01 21:21:33
しばらく海外の温泉記事が続き、
こんなにアメリカにも温泉ってあるの?とただ驚いておりました。
川渡温泉の記事になって正直、イメージが湧くので嬉しいです。
おかえりなさい!!の気分です。
我が家は今年は地域の役員が回ってきた年回りでした。そんなでほとんど温泉には行っておりません。
冬こそ行きたいです温泉!!
暫くは逍遥さんのブログで温泉妄想となりそうです。
返信する
Unknown (K-I)
2017-12-03 19:59:49
hitareriさん、こんばんは。
アメリカの温泉はワイルドで景色が良く、非常に気に入りました。自分で足を確保せねばなりませんが、温泉好きで且つ海外旅行がお好きな方にはぜひおすすめしたい湯めぐり候補地です。
私も今年の下半期はほとんど温泉どころか旅にすら行けておりません。私の場合はしばらくこの傾向が続きそうなのです。
返信する

コメントを投稿