温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

峰温泉 花舞竹の庄 その1(客室等)

2022年01月06日 | 静岡県
あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
新年最初の記事は、東伊豆・河津町の峰温泉「花舞竹の庄」を取り上げます。2021年初冬に1泊お世話になりました。


こちらのお宿は峰温泉の代名詞である大噴泉に隣接しており、ご覧のように古いながらも立派な木造建築が県道に面して建っています。ネットで知らべると必ず出てくるエピソードなのですが、かつて新宿で遊郭として使われていた建物の建材を当地へ移して、旅館として建て直したんだそうです。


破風の屋根を見上げると懸魚に「三井家旅館」と彫られているのですが、これは創業当時の旅館名のようで、その後オーナーが2度ほど変わって現在の宿名になっているんだとか。


玄関の三和土から上り框、そして帳場やラウンジ方向を見たところです。
自分の語彙力の乏しさが悔しいのですが、何と申しましょうか、玄関の引き戸を開けて中に入った瞬間、普通の旅館とはちょっと違うぞ、造作に相当金がかかっているぞ、絨毯などの色遣いが鮮やかだな、相当な趣味人が手がけたんだろうな、ということがよくわかります。普段安っぽいものばかりに囲まれている私はその雰囲気に負けそうになり、沓脱石で躓きそうになってしまいました。あぁ情けない。


欄間の透かし彫りも立派じゃないですか。


現在は素泊まり専門の宿として細々と営業していますが、バブルの頃は豪華さを売りにしていたため、その当時の名残が館内のそこかしこにしっかり残されています。帳場向かいのラウンジに何気なく置かれているソファーも骨董品並みに古いながらも、かつては相当立派なものだったと思われます。今時珍しい柔らかさのある懐かしい座り心地のソファーに座ると、バブル期の華やかさが腰から伝わってくるようでした。
また上の写真には写っていませんが、床の一部はガラス張りになっており、その床下へ入り込んでいる庭の池の鯉を眺めることができたようです。


こちらは池を臨む縁側。バブル期には池にちゃんと水が張られていたようですが、現在は管理面の問題があり、水が抜かれて空っぽになっています。


その池を擁する庭も同時はさぞかし立派だったんでしょう。でも私が訪問した日は少々荒れ気味の様子。素泊まり専門となった現在のお宿は、お年を召したご夫婦で全てを切り盛りしているらしく、お庭までなかなか手が回らないのでしょう。同じ理由で、館内にはお部屋がたくさんあるにも関わらず、宿泊可能な部屋を4室に限っているんだそうです。


さてお宿の御主人に挨拶をし、帳場にて料金先払いを済ませてから、御主人に案内されつつ廊下を進んで客室へ。




今回通されたのは1階の「霞」というお部屋。名前こそボンヤリしていそうですが、当然ながら雲でも霞でもない2間続きの広いお部屋で、テレビや冷蔵庫も備え付けられており、不自由なく過ごすことができました。床の間にはちゃんとお花も活けられています。なおエアコンも設置されているのですが、今時どこ探しても無さそうな非常に古い機種で、一応運転できるものの、もし故障したら間違いなく修理対応不能であり、スイッチを入れる時にはちょっと不安になってしまいました。


洗面台も室内に備え付けられているので、歯磨き等のために室外へ出る必要はありません。なおお手洗いも室内にあるのですが、和式しかないので、洋式じゃないと出るものも出ないような体質の私にはちょっと辛く、用をたすときには共用のトイレを使用しました。


洗面台やトイレのみならず部屋には内風呂もあるのですが、使うことはできません。お風呂は次回記事以降で紹介する浴場を利用することになります。

上述したように素泊まり専門の宿であり、電子レンジの利用は可能ですが、館内で自炊することはできません。かと言って至近に飲食店が多いわけでも無いので、食事面で少々工夫を要するかもしれません。ちなみに私は夕食のため片道2km(往復4km)、散歩を兼ねて河津駅付近の飲食店まで歩きましたし、朝食は事前にコンビニで買って冷蔵庫に入れておきました。
また建物が全体的に草臥れているので、そのような建物が苦手な方はちょっと厳しいかもしれませんが、鄙びた佇まいや渋い雰囲気を好む方、あるいは昔ながらの立派な造作が好きな方には是非とも泊まっていただきたい宿です。

次回記事では館内のお風呂について取り上げます。

次回に続く。


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