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温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

熊の湯温泉 熊の湯ホテル 2022年8月宿泊

2023年08月16日 | 長野県

(2022年8月訪問)
あ゛~暑ぃ。逃げ場が無い。もうやってらんねぇ。
そうお嘆きのあなた。標高の高いところへ避暑するのはいかがでしょうか。
2022年8月の某日、地獄釜のような東京の猛暑に参っていた私は、体が茹で上がる前に涼しいところへ逃れようと、信州の志賀高原を目指しました。その時にお世話になったのは、温泉ファンならおなじみの名湯である熊の湯温泉「熊の湯ホテル」です。日帰り入浴で何度か利用しており、拙ブログでは2009年に一度取り上げておりますが(当時の記事はこちら)、今回は宿泊して高原の冷涼な気候に体を休めながら名湯をたっぷり堪能しようと考えたわけです。


建物自体は結構年季が入っていますが、客室はしっかりお手入れが行き届いており、快適に滞在できました。
快適なのはお部屋のみならず、志賀高原の気候も実に快適。この日、下界は35℃だったのですが、志賀高原は昼間の最高気温でも25 ℃、夜になれば18℃まで下がり、涼しいを通り越して肌寒さすら感じるほど。これだけ涼しいのですから冷房はんて不要です。エアコンが効いた室内に居続けると体調がおかしくなりますが、ここならそんな心配は要りません。


なお今回宿泊したお部屋はお布団ではなくベッドで寝られるタイプでした。
普段からベッドで寝起きしており、布団だとあまり寝付けない私としては、とてもありがたい設備です。なお室内にもWifiが飛んでいましたが、ちょっと弱めだったかな。


お食事は大食堂でいただきます。
お肉の鍋、根曲竹、夏野菜の煮物、山菜の天ぷらなど、山の幸を中心とした献立で、みなどれも美味。


朝食はバッフェスタイル。
貧乏な性分が性根にこびりついている私は、ついつい欲張って余計に盛ってしまい、食後には動けなくなるほど食べ過ぎてしまいました。
バッフェを利用するたびに盛りすぎてしまう貧乏性を反省するのですが、反省が次の経験に活かせないのが私の情けないところです。


食堂の窓の向こうには源泉があるんですね。
ここから浴場へお湯が引かれているのか・・・。


では、そのお風呂へと向かいましょう。
「碧落」と「翠玉」という二つの浴室があり、日替わりで男女の暖簾を入れ替えています。私が利用した日は「碧落」に男湯の暖簾がかかっていましたので、以下のレポートは「碧落」について述べております。暖簾をくぐった先には・・・


「内湯の水温は約43℃です」と書かれた札が下がっていました。43℃ってちょっと熱めの湯加減ですね。
源泉のお湯をなるべく加水しないで浴槽へ注いでいるため、どうしても熱めになってしまうのでしょう。


総木造の内湯は趣きたっぷり。山の湯小屋は天井が高くて大きいながらも、設備面はシンプル。薄暗くて静かな浴室には、洗い場の他に浴槽がひとつあるだけですが、とにかくお湯が素晴らしいので、余計な設備なんて要らないのです。


洗い場に並ぶシャワーは5つ。吐水圧はやや弱いかな。


湯口から滔々と注がれる熊の湯の温泉。いつまでも眺めていたい・・・。


露天風呂は5〜6人サイズ岩風呂。すぐ目の前が駐車場であるために周囲の景色は眺められませんが、目の前を小さな滝が落ちており、高原の冷涼な風が吹き抜けるので、適宜クールダウンしながら気持ちよく湯浴みできました。


総木造の内湯では目立ちにくかったのですが、この岩風呂では湯口まわりをはじめとして、お湯に含まれるカルシウムなどの析出が浴槽にこびりつき、細かなトゲトゲがびっしりと湯面ライン上に現れていました。

緑色透明のお湯には白い粉状の沈殿が見られ、湯の花も少々浮遊しています。湯口のお湯を口に含むとはじめは石膏の甘みがあり、その後から硫黄のたまご味、苦味といった味覚を得るとともに、口腔粘膜や唇に痺れが感じられます。湯面からはクレゾールのような刺激のある独特の匂いと硫化水素臭が漂っています。緑の硫黄泉で苦いといえば、岩手の国見温泉や北海道の雌阿寒温泉などが思い出されます。湯使いは加水したうえでの掛け流し。内湯はちょっと熱めの43℃前後ですが、露天風呂は外気で冷やされるためか40℃未満だったように記憶しています。お湯に浸かるとしっとりスベスベの浴感が気持ちよく、その良さゆえに後を引くので湯船から出られなくなってしまいます。いつまでに入っていたい名湯です。

熊の湯温泉の宿泊中、夜に車で近くの横手山へ行き、スカイレーターで上の方へ上がったのですが、山の上は涼しいを通り越してむしろ寒いくらいで、焚き火の温かさがありがたく感じるほど冷え込んでいました。下界は熱帯夜で寝苦しいというのに、山の上の方は寒いのですから、暑さから逃れるためにはとにかく上へ上へと向かえばよいのですね。熊の湯はそんな避暑目的で目指す温泉のひとつとしてもおすすめです。


熊の湯温泉
含硫黄-カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉 57.6℃ pH7.5 湧出量記載なし(掘削動力揚湯)溶存物質1.544g/kg 成分総計1.594g/kg
Na+:137.0mg(31.07mval%), Mg++:25.0mg, Ca++:218.8mg(56.93mval%),
Cl-:104.7mg(14.29mval%), HS-:50.7mg, S2O3--:30.4mg, SO4--:341.1mg(34.36mval%), HCO3-:519.5mg(41.20mval%),
H2SiO3:99.1mg, CO2:30.7mg, H2S:19.1mg,
(平成26年9月12日)

長野県下高井郡山ノ内町平穏7148
0269-34-2311
ホームページ

日帰り入浴12:30〜15:30(平日)、12:30〜15:00(土休日)
1200円(タオル付)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

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