OBERON 日記

1999年1月25日。パソコン通信から始まった公開日記。
できれば、死ぬまで続けたい・・・(爆)。

超絶技巧は好きじゃない

2007-01-07 22:15:16 | Weblog
音楽なんかで「超絶技巧を必要とする曲」とかあるでしょ。あれ、好きじゃないんですよね。

野球の解説で、どなたかがどなたかを褒めるときに「彼の守備は巧すぎでファインプレイに見えない」って仰ったことがありました。つまり、予測が適切で、しかも動作のスタートが早いため、最短時間で最適な守備位置に移動する彼は、ギリギリでの捕球なんて無様なことはしない・・・その為、見ている人には、彼が取って当然の球を取っているようにしか見えず、それが如何に凄いプレイなのか認識されないんですね。けれど、それこそがプロのプレイ、真のファインプレイですよね。

それと同じように、音楽でも、巧さが巧さに聞こえるようじゃ駄目だと思うんですけど、いわゆる「超絶技巧を必要とする曲」って、作曲の時点で「テクニックのヒケラカシ」を目的に作ったようなものが多くないですか? ファインプレイも同様だけど、それで観客が沸くわけだから、これもプロとしての正当なパフォーマンスなのかもしれないけど・・・なんか、違うんじゃないかと、思うんですよね。そういうのは、練習曲でやれよと、わたしは思っちゃうんですよね。

人の気持ちとしては、とってもよく理解できるんですよ。わたしだって、凄いことが出来たなら、それは凄いと人に認識して欲しいし・・・そう思うことは、人の心の当たり前の動きだと思います。良いことをした時は良いことをしたと分かって欲しいし、我慢したときも、それをちゃんとカウントしておいて欲しいし・・・そう思うのは当然だし、そう思うことを責められないと思いますよ。

けどね・・・「超絶」っていうなら、そのエゴを乗り越えてはじめて「超絶」と名乗って欲しくないですか。作り手が、技術をひけらかしたい間は、まだまだだと思いませんか。受け手に、テクニック云々を忘れさせるものこそ「超絶」だと、わたしは思うんですけどね。