ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

低山のこわさ

2022-05-16 11:38:10 | 社会・政治・一般
3年前、道志村のキャンプ場から姿を消した女の子の遺骨かもしれない骨が見つかった。

生存を信じていた家族は悲痛な思いであろうと覗える。人の生死にかかわる事であり、安易な憶測記事は書きたくない。が、先日、日本TVのバンキシャという報道系番組の動画がアップされていたので、思うところがあり書き記してみる。

道志村は道志山塊と丹沢山系に挟まれた谷地にある。東京からだと八王子の南、相模原あたりから山梨の山中湖あたりに抜ける県道413号沿いにある。東京に近いが、それでも過疎はかなり進んでいる。

そして道志山塊(と、私たちは呼んでいた)は里山である以上に地味な山で、私が登っていた昭和の頃でも、さほど人気のある山ではなかった。もっとも藪山、里山を楽しめる山であり、冬でも比較的安全に登れる。ただし谷沿いの山なので、かなり寒い。

私は道志山には高校生の頃に一度、裏丹沢には大学生の頃に一度登ったきりだ。それでもあの地域の山の厄介さは分かっている。決して標高は高くないが、かなりのベテランでも迷いやすい山だと断言できる。

実際、私も迷っている。なにせ山道が多過ぎる。地元の方が仕事で使う道なので、不人気な登山道よりもよほど歩きやすいからだ。おまけに広葉樹の樹林帯なので落ち葉が半端なく多い。これが曲者だ。

この落ち葉が積もった山道は、想像以上に滑り易い。表面は乾いていても、裏側が濡れているので、うかつに踏むとすぐ滑る。これが急斜面だと滑落の危険がある。

私は日本TVのバンキシャという番組が嫌いではない。むしろ報道の在り方の一つとして高く評価している。でも、この道志村での少女行方不明を扱った番組で担当した記者は、おそらく登山の素人だと思う。

なにせ林道と山道、登山道の区別が付いていない。だから見当違いの映像を撮っていることが明白だった。これは藪漕ぎなどをする登山者ならば分ることだが、一般に車、特に軽自動車が走れるような道は概ね林道である。舗装されていないのが普通だ。

一方、地元の人が里山整備、キノコの栽培や山菜取りに使うような山道(杣道ともいう)、登山が目的の登山道、更に動物が使う獣道などは標高の低い山ほど明白に区別されていない。猪やクマ、シカなども人間が使う山道や登山道を使うからややこしい。

私は標高2千メートル以上の山で道に迷ったことはない。しかし、標高が低いながらも山道が数多くひかれた里山や低山などでは、幾度となく道に迷った経験がある。日本では標高の低い山のほうが迷いやすいのが実情だ。

三年前に行方不明となった女の子だが、現在までの遺骨や衣服、靴などが枯れ沢で見つかったとの事。推測になるが、山道に入り込み、斜面で滑落して亡くなったのではないだろうか。

枯れ葉の中に埋もれてしまい、見つからなかったのではないだろうか。それが雨により流されて、枯れ沢に墜ちていって見つかったのではないかと思う。もっともまだ確定ではないので、より一層警察の科学捜査に期待したいですね。

追記 5月13日の報道で、遺骨からミトコンドリアDNA鑑定により母親との親族関係がありだと報じられていました。残念な結果です。
コメント (2)
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