ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

アサリ不足

2022-05-24 13:26:01 | グルメ
春から夏にかけて美味しいのがアサリだと思う。

ただしあくまで産卵前である。産卵した直後のアサリは疲弊していてあまり美味しくない。なので私は水煮した缶詰のアサリを使うことが多い。でも、やはり貝殻付のアサリを調理する楽しみは捨てがたい。

ただ近年、産卵直後の時期なのに、けっこう美味しいアサリが店頭に並んでいることを少し不思議に思っていた。その種明かしは今年1月にあった。要するに輸入のアサリを日本の干潟に撒いて、少し日を置いてから採って出荷していたのだ。

以前は春先に産卵直後のアサリが平然と店頭に並んでいたこともあったから、その意味で輸入もののアサリは悪くないと思っている。もっとも輸入が増えた大きな理由は、やはり国内の干潟が細ったからだろう。

一定の売上を確保するため、漁協ぐるみで輸入もののアサリを国産に偽装していたのだから、ウソはウソであり良くないのは間違いない。でも純粋な国産のアサリが採れにくい現状を想うと、正直気持ちは分かる。

なれば堂々と輸入だと記して出荷して欲しかったと思う。

ちなみに輸入先はシナと南コリアである。以前は北コリア産が主流だったと思うが、国連による経済制裁のせいで輸入が出来なくなった。そこで近場のシナと南コリアが選ばれたらしい。

アサリ自体は東南アジア全般にいるが、日持ちのしない食材であるため近場からの輸入が好ましい。だからこそシナと南コリアなのだが、なんで隠すのか。

産地を偽装することで、日本の自然環境における問題が見過ごされてきたことのほうが重要に思う。日本各地の干潟が次第に減少していることは、まだまだ十分に周知されていない。一部の自治体ではかなり危機感をもっているが、土木事業優先となりやすい現実が干潟危機を妨げる。

産地偽装は確かに良くないと思う。ただ若干の疑問がある。輸入もののアサリと、国産のアサリの違いが分かる方ってどれだけ居るのだろうか。私はまったく分からないです。産卵あけのアサリなら味が素っ気無いのですぐ分かります。でも輸入物を見破る舌は持ち合わせていません。

ただ産地偽装の記事が出て以来、店頭に並ぶアサリが激減してしまった。これはこれで寂しい。私はボンゴレにして食べることが多いが、オイスターソースとからめたアサリの炒飯も美味しい。

正直言えば、産地を明示してあれば、私は輸入ものでも美味しく頂けます。新鮮な国産アサリは格別だとの言い分も分るが、家庭で気軽に食するならば輸入ものでも十分だと思います。

その輸入アサリを一旦、国内の干潟に入れて、元気を回復させてから出荷してもいいと思うのですけどねぇ。
コメント
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