ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

報道の基準

2009-08-20 07:56:00 | 社会・政治・一般
自他共に認める芸能音痴な私だが、それでも日本の芸能報道はおかしいと思う。

八月はじめに元アイドルで女優でもある、のりピーこと酒井法子の失踪と覚せい剤所持による逮捕の報が日本中を駆け巡った。多くの人が関心を持つことは私でも分る。

この報道のおかげで消えてしまったニュースもある。

たとえば美人女優のひもみたいな夫が、某マンションで銀座のホステスさんと違法薬物を服用して、女性が全裸で死亡したニュースだ。

私の価値観では、死亡事件と覚せい剤所持事件では前者のほうが犯罪性が高く報道する価値があると思う。しかし、知名度の低い女優の夫(この人も芸能人らしいが)の事件よりも、一般的な知名度の高い元アイドルの事件のほうが、マスコミ的には報道する価値が高いということなのだろう。

まるで見せしめのように、覚せい剤使用者をさらし者にする報道をして、正義感ぶる報道に価値がないとは言わない。言わないけれど、不法薬物による致死事件を無視していいのか。

視聴率が稼げるほうのネタをワイドショーが追うのは分る。下種なネタのほうが売れると分っている週刊誌の営業上の都合も分る。でも、大手日刊新聞4紙までが死亡事件よりも覚せい剤所持事件を重視するのは如何なものか。(TVは見てないので分りません)

もちろん警察や検察は、当然に死亡事件に手を抜くはずもなく、地道な捜査を続けているのでしょう。離婚を決めたらしい女優のことはよく知りませんが、少なくとも一緒に違法薬物を服用したと思える夫のほうは、浮気相手の異常におののいて逃げ出すような卑劣漢。本来ならもっと批難されて当然の人。

ところが、のりピー事件のおかげでマスコミから放置された。この人は酒井夫婦にいくら感謝してもしきれないでしょう。でも、これじゃあ死んだ女性は報われません。あまりにお気の毒に過ぎる。

別に芸能ネタなんてどうでもいいのですが、それにしたってマスコミの報道の基準の程度の低さがよく分る事件でした。
コメント (6)
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