ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

マジンガーZ 永井豪

2009-08-05 12:20:00 | 
床屋が好きな子供は、そう多くはないと思う。

私も可能な限り、床屋へ行くのは引き伸ばすのが通例だった。しかし、小学校高学年になった頃から、月に一度は床屋に行くようになった。

別に色気づいた訳ではない。目的は週刊少年ジャンプを読むことだった。マガジンやサンデーは福祉会館で読めたが、ジャンプだけは置いてなかった。なにせ当時、PTAから目の敵にされた漫画(ハレンチ学園やトイレット博士ね)がてんこ盛りだったからだ。

なかでも私のお目当ては、表題の作品だった。どちらかといえば、TVアニメのほうが有名だと思うが、私は原作の漫画版が好きだった。

実のところ、漫画版のほうは作者自身が語るように手抜きの作品だった。TVアニメのほうにこそ力を入れていたと、永井氏本人が語っている。忙しくて、漫画版には集中できなかったようだ。

そのことを悔やみ続けた永井豪は、のちに自らリメイク作品を描いているぐらいだ。このリメイク作品のほうが、絵が緻密だし、ストーリーも格段に拡がっている。

それでもだ、私は当初の漫画版が好き。なにせ、TVアニメ版には描かれなかったシーンが、当時の男の子たちのスケベ心をくすぐったからだ。

阿修羅男爵のシャワー・シーンに仰天し、甲児とさやかちゃんの温泉シーンに歓喜したものだ。やっぱり永井豪はこれだね。今にして読み返すと、特段たいしたことのないお色気場面で、むしろ昨今の過激なH漫画などに比べれば、はるかに健全なぐらいだが、当時の小学生にはお宝場面であることは間違いなかった。

これが見たくって、嫌いな散髪も我慢して床屋に通っていたのだから、苦笑を禁じえない。別にあの頃に戻りたいとは思わないが、あのころの感性だけはもう一度味わいたい。叶わぬことだと分ってはいるが、もう二度と味わえない気がする。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする