曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件」の感想

2015-01-14 20:05:00 | テレビ・映画


「カーテン」の記事が、また急にアクセスランキングの上のほうに来ている。三谷幸喜版「オリエント急行殺人事件」の効果かもしれない。「カーテン」の感想を書いたんだから、「オリエント」も書くんだろうな?という圧力なのかもしれない。

というわけで、一応感想を述べてみる。

僕は「オリエント」の原作を3回くらい、アルバート・フィニーの映画を5回くらい、デビッド・スーシェのテレビ版を1回見ている。

まず第1夜を見て、本当に三谷幸喜は映画版が好きなんだなあと思った。映画の雰囲気、カメラアングルをやれる範囲で精一杯再現している。下関駅なんて日本の駅っぽく待合室はしょぼいんだが、ホームは光の具合や蒸気の具合、空間の広がり感など映画のイスタンブール駅そっくり。特急「東洋」の中は、木製の部分が若干新しめに見えたり、食堂車も本物を使ったであろう映画には適わないが、コンパートメントの中の狭さや斜め上からのアングルなんかは、映画をリスペクトし過ぎ!と思った。

野村萬斎の演技がウザいという評価が多いが、あれはアルバート・フィニーの演技の忠実な再現だと思う。アルバート・フィニー風の発声が、野村萬斎の本職の発声法に近く、なるほどそういう意味でのキャスティングかと納得した。演技だけじゃなく、よだれ掛けみたいなマフラーなど珍妙な服装も映画のポワロそのままである。

保土田は九州人だから何をするかわからない的な話が執拗に出てくるが、あれは原作のフォスカレリが、すぐ熱くなる残虐なイタリア人というステレオタイプな設定をされているのを、なんとか日本の話として移植したものだ。

第1夜はおおむね原作に忠実に作られていたが、7号室と8号室の間の扉(続き部屋で使うリッチな客のための通路)のカギがかかっていたかどうかのくだりが、途中から忘れられていたような気がする。原作では犯人たちは一度実際にオリエント急行でリハーサルをしており、その時はカギの位置が取っ手の下にあり、取っ手に化粧ポーチをかけていたので見えなかったという筋書きにしていたのが、本番では鍵の位置が上で失敗、という話だ。

あと、これは第二夜で明かされた話だが、昼出川が扉にぶつかったり、赤いキモノの女が徘徊したりは、勝呂を寝かせないためではなく、原作では犯行時刻をわからないようにするためだったような。

うちの奥さんには「キミが類似のトリックを見たことがなければ、意外な犯人に腰を抜かせるかもしれない」と言っておいたのだが、類似のトリックを見たことがなかったのに、大して驚いてなかった。僕は小学生のころ原作を読んでひっくり返ったものだが。映画もそうなのだが、剛力家の関係者だらけだということをわかりやすく見せすぎたかもしれない。

第2夜は犯人視点のドラマだと直前に知って、面白いアイディアだなあと思った。犯人が犯行に至る経緯は、原作では謎解きの中にちらっと出てくるだけなのだが、そのチラっとだけでも想像力を刺激する話になっていたのだ。マックイーン(幕内)とマスターマン(益田)が、なんとかラチェット(藤堂・カサケン)に雇われたとか、デベナム嬢(馬場)とアーバスノット大佐(能登大佐)が中心になって作戦を考えたとか。それを膨らませれば、そっちもドラマになるんじゃないかというのは、清州会議だけで映画を一本撮ってしまう三谷幸喜らしい発想だ。

ところが、犯人たちがなかなか一致団結しない。それぞれを仲間に引き入れる苦労が、一つ一つエピソードになっていた。原作では、全員が黙って自主的に、ひそかに集まり、その場にいないラチェットに静かな怒りを持って死刑を宣告するイメージなんだけど。

まあ、三谷幸喜は喜劇作家だから、シリアスだけではないと思っていたが、姉と姪が殺されているのに杏は軽すぎた。杏は一番原作・映画のイメージから遠い。轟侯爵夫人も、ドラゴミノフ侯爵夫人ほど気難しくなく、ちょっとしゃべり過ぎだった。喋り方は全然違うのだが、昼出川はヒルデガルド・シュミットに見た目が似ている。

映画のアーバスノット大佐は、あのショーン・コネリーなのに、他の役者が大物過ぎて意外におとなしく目立たないのだが、能登大佐は第二夜の主役級だった。

幕内も原作とはちょっと違う。マックイーンはアームストロング家の書生だったと思うが、幕内はキモいストーカーだった。

益田がナイフを逆手に持って、さっと刺すシーン、映画のベドウズ/マスターマンの動きにそっくり。佐藤隆は映画を見て練習したに違いない。

羽佐間が藤堂の用心棒を引き離すために、ひとりでアクションをやってた。ハードマンは原作ではわき役だが、三谷版は全員に見せ場があるように作られていた。そこはさすがだと思った。

羽佐間で思い出したが、彼が一晩中ドアを少し開けて見張っていたが誰も通らなかったという証言は、他の車両の乗客に嫌疑がかからないようにするためで、犯人たちの正義感を表現する部分なのに、三谷版ではさらっと流された。

原作と映画では、第1の解答(外部犯人説)は足跡のない雪で不可能になってたりせず、駅で逃げたことになっている。ブック氏(莫)が、この事件はそんなに単純ではないと一蹴し、ポワロは「第1の解答も忘れないでくれ」と前置きしてから第2の解答を披露。感動したブック氏が「絶対に第1の解答が正しい」と言い切って、犯人たちが捕まらないという流れだ。

どんな事情があっても殺人を認めないポワロなのに認めた、いや他人に判断を委ねることで逃げたのだ、などと批判されたりもしたが、僕は原作の流れが一番自然だと思う。三谷版の、証拠を消させることで、勝呂が自主的に犯行を許したのは、ちょっとやりすぎ。初めて捜査に失敗したとか言ってるし。

全体的には、映画を日本で限界まで再現した第一夜の努力に拍手。だけど第二夜はちょっと悪ふざけしすぎたかな、という感じ。

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「まっしろ」第1話の感想

2015-01-13 23:53:30 | テレビ・映画


堀北真希主演のTBSドラマ「まっしろ」第1話の感想。

制作発表の段階から僕は「セレブ病院」「白い大奥」「玉の輿」というキーワードに強い地雷臭を嗅ぎ取っていた。物語としてはほとんど期待せず、堀北真希のナース姿を鑑賞するのが主目的で見ることになるだろうと思っていた。

第1話を見た限りでは、それほど地雷ではないが、まだわからない。少なくとも本家(?)「白い巨塔」や、最近なら「ドクターX」ほど医療の現場をシビアに再現しようというものではなさそうである。飛び交う用語が、専門家の監修を受けていない感じでもある。看護師としての仕事も、金持ちの身の回りの世話やわがままを聞くといったものばかりで、「職業ドラマ」としてはかなり弱い。

堀北真希が演じる有村朱里は、ズケズケとストレートにものを言い、女らしさが薄いキャラクター。「ミス・パイロット」の手塚晴からボケを抜いて、より毒舌でKYにしたような人物。もしくは「特上カバチ」の住吉美寿々から偉そう成分を引いた感じ。なぜか日本のドラマ界は、堀北真希に蓮っ葉な役をやらせたいらしい。

物語の構造としては、朱里がセレブ病院に旋風を巻き起こす、といった風らしい。最初は朱里の成長物語なのかなと思ったが、そうではなく、彼女の意見や主張はだいたいドラマ内では最終的に正しかった、ということになるようだ。成長するのは仲野先生のほうだった。

それにしても柳楽優弥の眉毛が太くてびっくりした。彼が朱里の相手役なんだろうけど、イケメン枠ではないな。手術下手で人気が落ちたらしいし。

玉の輿は無理だと言われてたり、ドクターはやめたほうがよかったり、飲み会ではただ普通に愚痴を言い合ったりするだけで、どこが「白い大奥」なんだろうと思ったら、最後のほうで木元(MEGUMI)が太ももに注射してたり、ナナオさんが石黒賢に押し倒されかけてたりして、やっぱりエグい人間関係がいろいろとあるようだ。

番宣などで散々見てきたけど、堀北真希のナース姿は劇画みたいだ。ナース服のデザインも現実離れしているし。あのデザインでも痛々しくないのは堀北真希のルックスというかオーラ、黒柳徹子の言う「神聖な感じ」のなせる技だろう。他のメンバーは高梨臨以外ちょっときつい。

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スーパーナンペイ跡地に行ってみた

2015-01-12 18:26:32 | 日記
「八王子スーパーナンペイ事件」の現場に行ってみた。以前当ブログで披露した推理がイマイチ過ぎたので、現場に行けば何かを閃いて、前回のリベンジができるかもしれないと思ったのだ。

現場に行ったといっても、ただiPod touchで写真を撮りながらスーパーナンペイがあったブロックを一周しただけなんだけど。

正方形の写真はHipstamaticで、LowyレンズとBlanko BL4を使用。横長の写真は標準のカメラ。


1つ南のブロックはジーンズショップ「ライトオン」になっている。賑やかではないが交通量は多く、この通りのすぐ裏で強盗を働こうとするなんて、度胸のある犯人だと思った。


ライトオン裏の道路。スーパーナンペイ駐車場は、この道路に面していた。この方向からだと右側である。


スーパーナンペイ駐車場側からみた風景。今は月極駐車場になっている。犯人はこの方向から駐車場に入り、当時は正面にあった事務所に突入したと思われる。


なんかわからんが、角にある別の駐車場に色々なステッカーを貼った古いセリカが止まっていた。ボンネットがカーボンで硬派な雰囲気なのに、なぜキティちゃん? さらにヤマハXGで笑ってしまった。XG音源搭載車?


事件当日に盆踊り大会をやっていたという北の原公園。予想より狭かった。


スーパーナンペイ側から北の原公園のほうを見たところ。この写真で伝わるかわからんけど、びっくりするほど近かった。北の原公園で盆踊りをやってるのに拳銃持って押し入るとは、人間離れした鈍い神経の持ち主だろう。というくらい近いです。


スーパーナンペイ正面入口があったところ。情報求むの八王子署の立て看板があった。ちなみにライトオンの横にも同じのがもう一つあった。

近くにビニールハウスがあったりもするが、大和田は歩いてる人が少ない静かな住宅街だった。あそこに夜8時9時まで営業しているスーパーがあったら、人が集まるちょっとした地域の中心だったんだろうなと思った。今はそれがなくなって、とても静かだ。

何か手がかりはないかと探しながら散策したが、19年前の痕跡らしきものは見つからなかった。道路の状態などは当時と変わっていないと思うのだが、流石に時間が経ちすぎている。

逃走経路だが、今しまむらがある通りに出て左折し、石川方面に向かったのではなかろうか。付近を実際に運転してみて、それが一番自然なルートだと思った。

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ストリームじゃなくジェイドだった

2015-01-09 01:03:00 | クルマ
以前当ブログでも次期ストリームは中国で売っているジェイドだろうという記事を書いたが、それが本当に発表された。顔は二代目ストリームにそっくりだが、名前は中国名と同じジェイドだった。



パワートレインがフィットハイブリッドと同じ?i-DCDなのが気に入らないなあ。ガソリンは選べないようだ。

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iPod touch 5thでHipstamatic ~ Queen Westフィルムの巻

2015-01-08 22:13:15 | カメラ
今日は1月配信のTORONTO HIPSTAPAKのフィルムのほう、Queen Westフィルムをご紹介。

まずは公式の謳い文句。

Double-exposed B&W

Capture unique monotone photography with this unpredictable film.

二重露出の白黒

この予測不可能なフィルムでユニークなモノトーンの写真撮影をキャプチャします。


このフィルムの特徴は、二重露出風のエフェクト。といっても、トリッキーな写真を狙った多重露出ではなく、わずかにずらした2枚の同じ写真を重ねた感じ。場合によっては、手ブレしているようにも見える。うまくはまれば雰囲気のある写真になる可能性があるが、単にもやっとした失敗写真になる可能性もある。また、エフェクトが発生してないように見える場合や、周辺部に行かないと二重になっていない場合もある。ような気がする。

作例はすべてLe Allanレンズとの組み合わせ。











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