曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

小田原ドラゴン「今夜は車内でおやすみなさい。」第9巻の感想

2024-05-26 17:44:39 | 

またしても遅くなった。10巻が出てしまったので慌てて9巻の感想である。

8巻は阿蘇で終わっていた。9巻は宮崎を経由して鹿児島へ。沖縄に行くかどうかという「この旅最大の決断」をして沖縄へ(往復17万もかかるらしい)。22日も滞在して、巻の最後で沖縄を去る。9巻は、ほぼ沖縄巻といってもよい。帯にある通り。

那覇は千葉県といわれてもわからないくらい都会だと作者は言っている。首都圏との違いは植物が元気なことと、いたるところにシーサーがいることだと。あと、同じ気温でも日差しの強さが全然違って、突き刺さるような暑さ。今までは車中泊の旅なのにと読者に謝りながら、たまにホテルに泊まっていたが、沖縄では熱中症対策として謝罪なしのサイレントホテル泊をしている。

サイン本を買いに来た人から、この作品はうつ病にいいんですと言われる。気分が晴れると。僕も仕事で落ち込むようなことがあった時にこの本に出会って救われた(1巻と2巻のころ)。一見しょーもないことばかり描かれている漫画なのだが、落ちている人にはそういう効果があるんだなと思った。

いつ来ても同じところに停めてる車上生活者的な人がいたり、東京を捨てたシャークの元担当編集O江さんと再会したり、シャーク自身もだらだらと22日間もいたりして、人生にはぐれた人が流れてついてしまう雰囲気が沖縄にはあるらしい。シャークの筆にかかると、それは魅力的というよりも、ちょっと澱んだ感じというか、やる気が出ない気だるさというか、そういうのがあるように読める。実際そうなんだろうか。

うつ病だという読者が本を買って行った後のページ

沖縄っぽいページをピックアップしてみた

 


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