曖昧批評

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大谷翔平のWBC2023参戦について

2022-11-19 15:46:00 | スポーツ
エンゼルスの大谷翔平が、ア・リーグMVPの2年連続受賞を逃した。大差を付けて受賞したのはNYヤンキースのアーロン・ジャッジだ。大谷に投票したのはエンゼルスの地元記者二人だけだったらしい。

指名打者制において、大谷の二刀流はそれほど意味がないと僕は思っている。意味がないというか、それほどチームの勝利に貢献してはいない。MVPを逃したのも、その辺に原因があると思う。

指名打者制がなければ、登板日はほとんど例のない強打の投手として打席に入り、相手チームが8人で攻撃するのに対して9人で攻撃できる。これは勝利への貢献と言える。それどころか、僕は野球の戦術における革命ではないかと思っている。これからは打てる投手を育てるべき、とまで思っているし、ここ数年ヤクルトがそこそこ強いのは、小川泰弘、原樹理、石川雅規といった打撃が得意な先発投手がいるのも少し関係していると思っている。

一方、指名打者制だと、相手チームも9人攻撃してくるので差が出ない。大谷がDHに入ることで、本来DHで使いたい、打撃はいいけど守備難の選手の使いどころがなくなる。投手と打者を両方やる人がいるから選手枠が一人空く以外のメリットがない。

いわゆる「大谷ルール」導入で、ますますその、指名打者制における相手チームとの差がなくなってしまった。投手大谷と打者大谷がそれぞれの試合で出て来るだけになったというか。

大谷が投手として登板し、同時に打者としても試合に出ようとすると、(おそらく試合前のメンバー交換時に)チームは指名打者を放棄する。6回くらいで大谷が降板した後は、リリーフ投手が打席に立たなければならない。この指名打者使用権?の失効をなくし、大谷降板後に指名打者を戻せるのが「大谷ルール」である。大谷ルールという名前ではないが、現状大谷しかこれを使ってないというか、大谷に先発登板日も全打席立たせるために作られたようなルールだから、そう呼ばれる。

そんなわけで、現状の指名打者制の中では、というかナ・リーグも指名打者制になったので、MLBすべての試合において、大谷の二刀流は、チームの勝利にはそんなに影響してないと思っている。本当の意味での二刀流を名乗るなら、一時期のように登板日以外は外野手で出てほしい。そうすれば守備難の強打者を指名打者で使える。

で、その大谷翔平が、来年のWBCへの参加を表明した。調整の難しさなどから、打者としてしか出ないのではないか、投げないのではないかとも言われている。

そもそもWBCに大谷ルールが適用されるかがまだ分らない。適用されないのであれば、WBCは球数制限があって絶対に完投はないので、大谷降板後のDHがリリーフ投手の打席ということになってしまう。毎回代打という手もあるが、WBCは選手枠が少ないので、それも難しい。近藤健介が選ばれているのは、高い打撃技術だけでなく、万一のときは捕手ができるからである。というくらい人数に余裕がない。一発勝負の世界大会、投手に打席が回ってくるせいで不利になるような事態は絶対に避けるべきで、投手大谷と打者大谷どちらを使うかとなったら、後者だろう。

もし投げるなら、先発登板試合は降板後お役御免、打席なし。打者として出るときは指名打者。リリーフで投げると指名打者放棄になるのでそれもない。という微妙なことになって運用が難しい。

WBCは結局メジャーが主催みたいなところがあるので、大谷ルールが採用されるかもしれない。でもそれで好結果が出た場合、嫉妬深い半島のあの国とかが、後からイチャモン付けてきそう。

大谷参戦で野球ファン以外も巻き込んで盛り上がりそうだが、参戦するならするで、なかなかに難しい事態も発生する。智将・栗山英樹も悩ましいところだろう。


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