7月配信ギア「Little Five Points HipstaPak」の紹介。
今回のテーマはアトランタ。リトルファイブポインツは、アトランタで最も個性的な地区の一つ(Wikipediaより)だそうな。
BradyレンズはSubtle Grain Contrastとある。モダンでヴィンテージなエフェクトと謳っている。使ってみると、まずハイライトが飛ぶ。明るければ青空でも白っぽくなる。ヴィンテージなので濁った白、全体的にレトロに濁る。嫌いじゃない。
Poncey 96フィルムはFirst Shot Filmとある。画面の左右どちらかがランダムに白くなり、白い部分と絵の境界線が焼けたような感じになる。
フィルムはパトローネという円筒形のケースに入っている。カメラに装てんするときに引き出すのだが、その瞬間に引き出された部分のフィルムは感光している。引き出したフィルムの先(通称ベロ)を巻き上げ軸に差し込み、スプロケット(歯車)にフィルムの穴を合わせてセット完了。撮影コマ数カウンターが1になるまでフィルムを巻き上げる。
これ以降なら引き出し時に感光してないだろうという部分から撮影を始める、という儀式なのだが、安全マージンを取ってあるので、-2コマくらいから撮影は可能だ。というか、1コマまでいくのに撮影する際と同じようにレバーで巻き上げてシャッターを切る。この「空写し」でも何か写っているのだ。本気で作品を作るときには空写しを使わないが、もったいないので1コマくらいは何かに向けて空写しをする。
その空写しで取れた最初のコマは、ほとんどの場合左側が「引き出し時に感光した部分」となる。Poncey 96フィルムは、それを再現したギアなわけだ。
フィルムの走行方向の関係で、空写しで取れた写真は左側しか露光しないのに(そのはず)、このギアでは右側も露光部分になったりする。空写しは基本的に手動巻き上げのフィルムカメラの話なので(モータードライブ内蔵のAFカメラは大抵自動的に1コマ目までフィルムを送るので空写しはしない)、もはやそういう文化?を正確に知っている人はヒプスタ社にもいないのもしれない。
そして長々と説明したが、このPoncey 96フィルムのエフェクトはガバっと絵が見切れることがあるので、僕はまず使わない。Bradyレンズのほうは、他のパックのフィルムと合わせて遊べそう。
作例はすべてリトルファイブポインツパックの組み合わせ。