曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

「火村英生の推理」第5話「ショーウィンドウを砕く」の感想

2016-02-15 23:51:46 | テレビ・映画


第5話は「ショーウィンドウを砕く」 読んだような気もするが、例によってまったく覚えていない。

犯人は芸能事務所の経営者夕狩(宅麻伸)。珍しく倒叙ものだが、時間軸に沿って犯行が描かれたり、犯人の脳内のイメージが映ったり、やれなかった犯行が映ったりして変則的。刑事コロンボの「もうひとつの鍵」で、理想的犯行の妄想と現実のミスが多い犯行を続けて映した奴と似てるかも。

犯人は、被害者の財布から札を抜き取った(物取りの犯行に見せかけるため?)が、全部パリパリの新札で、しかもかなり大量だったのが気になった。

あとで高級アクセサリー店は新札でお釣りを渡すという話が出てきたが、お釣りは千円札一枚だけじゃん。他の数十枚の札は何だったのか。潰れかけた事務所所属で、オーディションに落ちたばかりのモデル/女優が、どうしてあんなに金を持っていたのか。結局説明はなかった。

被害者の財布から取った札とヒムアリのくしゃくしゃの札を交換し、指紋で御用というのがメインの仕掛けなんだろうけど、それも刑事コロンボでやってる。「死者の身代金」だ。被害者が誘拐されたように見せかけて殺し、身代金も取られたように見せかけて自分で回収。コロンボは犯人が大金を使うように仕向ける。犯人は急いでいたので回収した身代金から金を出してしまう。身代金用の金は警察がナンバーを控えていることに気付いた犯人は降参…というやつ。

有栖川有栖ともあろう人が「死者の身代金」を知らないわけがない。ちょっと捻って短編にしようと気軽に書いたら、コロンボで類似のがあることを知らない脚本家が使ってしまった、というところだろうか。

完全オリジナルのトリックなんて、なかなか思いつくものじゃないから、似てしまうのは仕方ない。しかし、似てるならオリジナルにはない工夫や画期的な追加要素がないと。

何か想像を絶する、でも合理的な動機があるのかと思いきや、犯人自身がよく分かっていない、と。そういう殺人もあるということか。フィクションだからたまにはそういうのもいいけど、現実だったらたまったもんじゃないな。

貴島朱美が自分のトラウマと過去を火村に語った。今まで無理矢理山本美月のシーンを挿入して引っ張ってきたのが、ついに意味のあるものに。来週は長編「朱色の研究」だ。

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「真田丸」第6回「迷走」の感想

2016-02-15 07:34:09 | 大河ドラマ


信繁と三十郎が、女たちを連れて安土から脱出。の途中で、小屋に隠れているところを見つかる。小さな女の子が声を上げたから。「チッ」と舌打ちしたくなったが、ピンチを作るためにドラマではよくある展開だ。結局マツさんは崖っぷちに追い詰められて身投げした。

そもそもマツさんが女達も連れていこうと言ったからこうなった訳で。自業自得ではある。戦国を生きる女性としては甘い。でも多分マツさんは生きている。死体が映らなかったし、真田家の生き残りを描くのが脚本のテーマだから。

と思っていたら、やっぱり生きていた。琵琶湖湖畔の漁師?みたいなおじさんに保護されていた。おじさんが全然口を利かないとか言ってたので、ひょっとして記憶喪失かも。

徳川家康は本多正信に灸を据えてもらっていた。伊賀越えで筋肉痛らしい。一日で復活したという本多忠勝に「化け物か」と言う。

岡崎城(本物)に行ったことがあるのだが、あそこの顔を出す穴が空いている記念撮影用プレートは家康と本多忠勝で、どちらもすごいイケメンに描かれている。家康はともかく忠勝は信長の野望シリーズでもイケメンなので、藤岡弘、の忠勝には調子を狂わされてしまう。あの時点で34歳。家康より5つも若いはずなんだよね。真田丸は全体的に役者が高齢化してて、そこは見ないことにするドラマだけどさ。真田昌幸だって、ああ見えて35歳だからね。

滝川一益がようやく主君の死を知り、真田昌幸に人質を出せと言ってくる。昌幸は滝川一益に賭けるとか言って承諾。上野/信濃から明智討伐を果たして天下を獲れると思っているのだろうか。位置が悪すぎるじゃないか。滝川一益は結局清洲会議にも遅れて皆に「この人は終わった」と思われる人物だ。こんなのに賭けていいのか?

出浦が「素破が死ぬのは信用を失った時」と言って信繁の頭に手を置いた。彼は忍者だったのか。

滝川につくという昌幸に、また室賀氏が噛みつく。あっさり「じゃあ北条に」と昌幸。「ああでも言わないと話が終わらん」と言ってたが、今回のは智謀というより単なる優柔不断に見えた。タイトル通りまさに迷走。

その北条。氏政は不気味な小物を演じたせたら定評のある高島弟である。どこかの医者ドラマで見たような表情で息子の氏直に上野攻めの準備をさせた。上野と信濃は攻めないって約束したのに。だが、この情勢で上野奪還に燃えている時点で小物なのだよチミは。

そして秀吉初登場。山崎の合戦はセリフのみで。こんなに扱いが簡単な山崎も珍しい。信濃の田舎豪族から見たら、織田家臣同士の争いなんてその程度のニュースってことだな。

秀吉が草履取り出身と聞いて刺激を受けたか、昌幸が腹を決めた。どこにもつかない、と。それは決断しないってことじゃん。でも、大声で「大博打の始まりじゃあ!」と叫んだので、いよいよ来週から知謀が炸裂して北条上杉徳川を手玉に取るんだろう。

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