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森羅万象 ~ 歩く印象派

民主惨敗、過半数割れ 自民が改選第1党

2010年07月12日 05時46分11秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
2010年7月12日 03時41分東京新聞

 政権交代後初の本格的な国政選挙で、民主党が惨敗した。第22回参院選は11日の投開票の結果、民主党は50議席に届かず、国民新党を含めた与党全体での議席が参院過半数を割り込んだ。国会は再び、衆参両院の与野党の多数派が異なる「ねじれ」状態となる。菅直人首相の消費税率引き上げ発言とともに「政治とカネ」の問題で有権者の支持を得られなかった。首相は続投の意向を表明したが、民主党内では首相の責任を問う声や、枝野幸男幹事長の交代論が強まっている。首相は就任から1カ月余りで厳しい局面に立たされた。自民党は50議席を超え、改選第1党を奪還。みんなの党は比例代表を中心に躍進し、政局運営のカギを握る存在になった。

 選挙戦の最大の争点となった消費税問題については、首相が党内議論もないまま、10%への引き上げに言及したことに有権者が拒否反応を示す結果となった。首相が唐突に打ち出した低所得者への負担軽減策も、逆に有権者の不信を増幅する原因となった。

 民主党は改選1人区で、自民党候補に相次いで議席を奪われ、これが選挙戦全体に大きく響いた。

 議席独占を狙った12の2人区でも自民党と議席を分け合う結果となり、小沢一郎前幹事長が主導した複数候補擁立の戦略は成功しなかった。

 3人区の神奈川でも、千葉景子法相が落選した。

 首相が勝敗ラインと位置付けていた「54議席プラスアルファ」に届かなかったことで、首相の党内の求心力は大きく弱まる。民主党の安住淳選対委員長は同日夜、「スタートして40日の内閣だから、首相の責任があるとは思わない」と強調した。

 一方、小沢氏周辺は同日夜、「首相を代えるのがよくないというのであれば、周りの人間が責任を取るのが当たり前だ」と発言。首相の続投を認めたとしても、選挙を主導した枝野氏の交代を含め、党執行部の刷新を求める声が出ている。

 9月の党代表選に向けて首相と小沢氏側の対立構図が強まった格好だ。

 一方、参院で与党が過半数割れしたことで首相の国会運営は極めて不安定になる。参院で法案が否決された場合、与党は衆院の再議決に必要な3分の2の議席を確保していないため、予算案や条約などを除き、法案を成立させることができなくなる。

 こうした状況を打開するため、政府・与党はみんなの党など第3極と政策ごとの部分連合を模索する方針だ。部分連合について公明党は否定的だが、みんなの党の渡辺喜美代表は同日夜、公務員制度改革など一部政策での連携は可能との見方を示した。

 自民党は従来の保守地盤を再び固めることに成功。谷垣禎一総裁は与党過半数割れを実現したことで続投し、反転攻勢を強める。

 みんなの党は無党派層の一定の受け皿になることに成功。公明党は選挙区で3議席を確保し、共産、社民両党は伸び悩んだ。


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