長野県中部で30日朝に起きた地震の震源は、政府の地震調査委員会が将来、大地震発生の恐れがあると注意を呼びかけている牛伏寺(ごふくじ)断層の近くだった。
牛伏寺断層は糸魚川—静岡構造線断層帯の一部で、長野県松本市と塩尻市付近の長さ17キロの活断層。地震調査委は、東日本大震災の地震の影響で「将来の地震発生確率が高まる可能性がある」として注意を呼びかけている。
牛伏寺断層は、約千年に1回程度活動しており、最後の地震は1200年前ごろとみられる。地震調査委は、今後30年以内に14%の確率で発生すると予測 している。日本の活断層の中で最も確率が高いグループ。この断層や周辺で地震が起きると、マグニチュード8程度と考えられている。
気象庁は「牛伏寺断層が動いたものかどうかは不明」とし、断層に与える影響を注意深く監視していくとしている。
長野県松本市で震度5強、5分後にも震度4 9人けが
30日午前8時16分ごろ、長野県中部を震源とする地震があり、同県松本市で震度5強、同県山形村で震度4を観測。同県内を中心に関東から近畿にかけて震度3~1の揺れを記録した。震源の深さは約4キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は5.4と推定される。
気象庁によると、同8時21分にも松本市と山形村で震度4を観測するなど、震度1以上の余震が5回発生(同9時半現在)しており、永井章・地震津波監視課長は「今後1週間程度は震度5弱前後の余震に注意してほしい」と話した。
周辺では29日午後7時以降、震度3~1の地震が8回発生しており、地震活動が活発になっていた。
県などによると、松本市で9人がけがをし、うち70歳代の女性がベッドから落ちて右足骨折の重傷。商業ビル1棟が一部損壊したり、ブロック塀が倒壊したりするなどの被害も相次いだ。国宝・松本城では、「乾小天守」の壁に3カ所ほどひびが入った。
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