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足利事件、弁護側が刑停止申し立て DNA不一致受け

2009年05月19日 18時34分24秒 | 許すな冤罪事件
2009年5月19日15時1分朝日COM

 栃木県足利市で90年に女児(当時4)を殺害したとして殺人罪などに問われ、00年に最高裁で無期懲役が確定した菅家利和受刑者(62)の再審請求で、遺留物のDNA再鑑定で不一致の結果が出たことを受けて弁護側は19日、東京高検に菅家受刑者の刑の執行停止を申し立てた。立証の中核だったDNA鑑定というよりどころを失ったことから、検察内部では早期釈放も視野に検討している模様だ。

 刑事訴訟法は、再審開始まで検察官が刑の執行を停止できると定めている。弁護側は申立書で、「再鑑定で菅家受刑者が犯人でないことは明白だ」と主張するとともに、再審開始の見込みが明らかなのに刑の執行停止をしないことは裁量の逸脱だとする判決例を指摘した。

 弁護側によると、申し立てを受理した際に高検公判部長は「公正に対処したい」と述べたという。

 菅家受刑者の再審請求審では、女児の肌着に残された体液のDNA型と、菅家受刑者のDNA型についての再鑑定が認められ、今月8日までに検察・弁護側がそれぞれ推薦した2人の鑑定人から、いずれも「一致しない」との結果が出た。この結果について、検察内部には「必要な検討をしたうえで、犯人でないという可能性が高まった場合は、在宅のまま再審をすることも考えられる」との声も上がっている。

 一方で検察側は、鑑定結果の分析を進めている。今回の再鑑定で使われた試料が、事件後に女児の肌着に触れた捜査員の汗などである可能性もあるとして、事件を担当した捜査員のDNA型が鑑定結果で出た型と一致するかどうかの確認なども検討している。

 さらに、弁護側推薦の鑑定人の鑑定結果に対しては、「判定が正しいかどうか検討する上で必要だ」として、追加の判断資料を提出するよう求める上申書を12日に東京高裁に提出した。

 弁護側によると、弁護側推薦の鑑定人は女児の肌着に付着していた体液のしみのうち5カ所から試料を採取し、不一致の結論を出した。弁護側は、これらのDNAが肌着の繊維の層のうち、女児の肌に近い部分から採取されたことなどから、「捜査員の汗などが後から付着したものではなく、真犯人の体液だ」と反論している。


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