映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

彼女が消えた浜辺

2010-09-26 | 映画 か行
アルゼンチン映画に続き、イラン映画です。
イラン映画で思い出すのは1997年製作の「運動靴と赤い金魚」。
アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるも、受賞はなりませんでした。
私にとって謎の国イランの日常を垣間見、靴をめぐり幼い兄・妹の兄弟愛と親への気遣いに
涙しました。 これ、いい映画なんですよ~。
久々に見てみたいなぁ~とビデオ屋さんでレンタルしましたが、アマゾンで購入だと
何故か定価のほぼ2倍だとのこと! どういうこと?!
   

本作も勿論単館上映、ヒューマントラスト有楽町(有楽町駅前イトシアビル4F)で鑑賞です。
上映が始まる前にお向かいのイタリアンでランチしました
曇りで涼しい日だったのでテラスでいただきました。
     こんな景色を見ながら


   ********************
 
           彼女が 消えた 浜辺

   ********************

 < ストーリー >
テヘランから週末を楽しもうと3組の家族、ドイツ人と離婚したばかりの男性、
そしてエリという
名前の美しい女性が浜辺の避暑地にやってきた。
幹事のセピデーは離婚し帰国した友人の再婚相手にとエリを誘ったのだった。
子供が溺れた騒ぎが収まりホッとしたのもつかの間、エリがいないことに気付く面々。
懸命の捜査を行うが彼女の姿はどこにもない。溺れたのか?事件に巻き込まれたのか?
ひとりで帰ってしまったのか?果たして・・・。

    
イランの女性は美しい~!エキゾチックなお顔立ちに見とれます。セピデー(左)とエリ

浜辺に建つ別荘を舞台にした舞台劇のような映画です。
歌って踊って、ジェスチャーゲームに興じ、見合い(?)の二人をひっつけようとからかう仲間達。
イランの人ってとっても陽気です。

別荘予約の手違いで旅行はトラブルの幕開け。これから起こる事件を暗示しているかのよう。
そして、楽しい旅行は一転、とんでもない事態が起こる。

最後まで見るとエリ失踪の理由が明らかとなり「あぁ、やっぱり・・・」と、その思わせ振りな演出に
ちょっと疲れを感じるのですが、ミステリー仕立てでみんなの不安、焦りからくる心の変化を見せられ
「こういう状況になったら、そりゃ~こんな風になるよなぁ」と共感。

エリが消えた後、彼女の素性について何も知らなかったことに気付く面々。
エリを誘い旅行を企画したセピデーも、子供の幼稚園の先生ということしか知らないって・・・、
「そんなんで旅行に誘うか~?」とか、「結婚相手にどうかなんて引き合わせるか~?」と思いつつ、
登場人物たち同様、こちらまで狐につままれたような気分。

そして、彼女の身を案ずるが故の不安、責任感からくる言い争い。
夫や友人達から責められるセピデー。
このくらいいいだろうとついた小さな嘘が、状況を益々悪化させ、夫々がエゴをむき出しにしてゆく。

思いもよらぬことが起こったとき、果たして冷静に行動できるかなぁ?
誘わなければ・・・あの時一緒に子供を見ていれば・・・無理に引き止めなければ・・・
などなど、ずっと聞こえる潮騒の音が不安や苛立ちを掻き立てるのに効果的です。

イランでなくても、私たちの身近でも起こりうる不慮の事故。
ちょっとした心の緩み、間の悪さから思いもよらないことが起こるって、なんともやりきれないなぁ。

エリの置かれた立場については、やはり日本とイランの文化の違いに少々戸惑いも感じますが、
姦通罪で石打ち刑判決を受けた女性を巡って国内外でゆれ、刑執行停止になるも絞首刑の可能性も
残っているっているというイランでは、エリやセピデーの行動は非難されても仕方ないのかなぁ?
このあたり、セビデーの狼狽振りや夫の怒りが日本人には伝わり難かったかなと感じました。




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 ***** 見た 映画 *****

 9月16日 「千年の祈り」DVD 中国人父娘@アメリカの葛藤ドラマ 

 9月17日 「くもり ときどき ミートボール  CLOUDY WITH A CHANCE OF MEATBALLS」DVD
         アニメーション フリントの発明で島はとんでもないことに!?

 9月18日 「プライド アンド グローリー」DVD エドワード・ノートン、コリン・ファレル主演
           ニューヨークのポリースストーリー
       
 9月19日 フェアリーテイルシアター「ロビン・ウイリアムズのカエルの王子さま」
                   「スーザン・サランドンの美女と野獣」
 
 9月20日 「ジェームズ聖地へ行く」DVD エルサレムを目指すアフリカ人青年の話  


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10 コメント

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意外に (海パンjoe)
2010-09-27 16:04:12
自殺だったんじゃないかって意見も多いみたいですよ。
ウチは彼女共々、子供を助けようとして溺れたという解釈です。

>「そんなんで旅行に誘うか~?」
これはおいちゃんたちも経験済みなので、よくあること
じゃないですかね。名前も知らないし、話すらしたことない、
顔見知りを旅行に誘って一緒に行きましたから(照)。
その人とは旅行先で仲良くなって、10年以上経った今でも交流がありますよ。
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イタリアン (佐藤秀)
2010-09-28 20:01:55
あそこのレストランは映画のチケット提示すると割引してくれるんですよね。私も時々行きます。
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Unknown (海パンjoeさんへ(ryoko))
2010-10-06 02:22:41
え~、自殺は違うんじゃないでしょうか。私も子供を助けようとして溺れたと理解しています。

ほう~、でも「名前も知らないし、話すらしたことない顔見知り」ってどんな?
そういう経験はないですが、ネットって「名前も知らない、話をしたこともない、顔も知らない」けれどコメントを通して仲良しになるってことありますよね。きっかけは何であれ、10年以上経っても交流があるってよっぽど気が合ったんですね。いいね。
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Unknown (佐藤秀さんへ(ryoko))
2010-10-06 02:24:32
そうです、割引してもらいました。
うにのクリームソーススパゲッティー、とても美味しかったです。ニヤミスあるかも?ですね。
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お礼 (クマネズミ)
2010-10-17 07:16:21
ryokoさん、わざわざコメントをいただきありがとうございます(ご返事が遅れてしまって申し訳ありません)。
確かに、主演したゴルシフテェ・ファラハニーさんについては、おっしゃるように『ワールド・オブ・ライズ』の時と感じがかなり違うので戸惑ってしまいます。
映画については、こちらのブログにあるように、「イランでなくても、私たちの身近でも起こりうる不慮の事故」を巡るものでありながらも、イラン特有の事情を背景にした「セビデーの狼狽振りや夫の怒り」などがしっかりと描かれていて、大変優れた作品なのでは、と思いました。
なお、いただいたコメントに「スカーフはフランスでも物議を醸してい」るとあるところ、下記のURLの記事などを見ると、フランスで問題となっているのは、この映画のような顔がハッキリと見えるスカーフではなく、ブルカといわれる顔を隠してしまう物のようです。
http://ameblo.jp/otokonosaga/entry-10649251330.html
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あーそうかも (海パンjoe)
2010-10-21 16:12:56
と、未だに我が家では話し合いが行なわれています(照)。
今は、計画的失踪説ですね。
エリの死体の顔が、“本当にエリだった?”というところに
着眼してますよ。何故そんな手の込んだことをする必要がって
考えると、しつこい婚約者から逃げるため。あの婚約者が
唯一納得出来る別れ方って死別しかないかと。

あの婚約者もウソつきだったし、まともじゃなかったですしね。
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Unknown (クマネズミさんへ(ryoko))
2010-10-26 11:32:21
主演のゴルシフテェ・ファラハニーさんが『ワールド・オブ・ライズ』でデカプリオの彼女を演じた方とは全く気が付きませんでした。「ワールド・・・」では可憐な感じだったので・・・。
全身被るブルカでしたか。しかし宗教上の衣装を法律で禁止というのはどんなもんでしょうね?着なければ外出できない、外出すれば違法、家にこもるか国を出るかということになりますよね。
でも、全身すっぽりっていうのは犯罪に利用される可能性も高いですから・・・難しい問題です。
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Unknown (海パンjoeさんへ(ryoko))
2010-10-26 11:41:17
う~ん、確かに計画失踪も否定はできませんが、死体の確認はあったわけだから・・・。
最近「屋根の上のヴァイオリン弾き」を見たのですが、娘の結婚相手は父か決めるという慣わしで、自分より年上のじいさんとの結婚を決めることもあったようで、時代や宗教、国が違えば驚くようなマッチングがありますねぇ。
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その死体 (海パンJoe)
2010-10-27 01:44:58
警察が「ここで溺れた人の死体はこの辺にあがる」
と言った場所とは全然別の場所で見つかったんですよね。
死体確認は確かにあったけど、エリだったという確認は曖昧かなーと。
このあたりもかなりのミステリーだと思います。

似ている人を事前に用意してたとか!
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Unknown (海パンjoeさんへ(ryoko))
2010-11-17 14:58:03
そこまで読むんですか~?それはそれで面白いんだけれど・・・。
私はミステリーというより日常の中に潜む落とし穴というか、「好事魔多し」って感じかなぁと思います。このぐらいならいいかなというちょっとした嘘や誤解から、とんでもないことが起こる可能性が誰に上にもあるよってことかなっと。
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