映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

昔々、アナトリアで

2014-09-26 | 映画 ま行
レンタルショップで2011年カンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞した映画です。
2時間40分弱、かなり長いトルコ/ボスニア・ヘルツェゴビナ製作の作品です。
見終わってわかったのですが、本作のヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督はカンヌ国際映画祭の常連で
2002年「冬の街」でグランプリを、2008年「スリー・モンキーズ」で監督賞を、
今年は「Kis Uykusu」でパルム・ドールを受賞という、輝かしい受賞歴を
お持ちでした。
「Kis Uykusu」は劇場公開されるのでしょうか?


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          昔 々 、 ア ナ ト リ ア で

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 < ストーリー >
暗闇の中、草原にヘッドライトを点けた3台の車が近づいてくる。
警察官、検事、検死医、軍警察官に発掘作業員たちが殺人容疑者のふたりを連れて、死体の捜索に
やってきたのだ。容疑者の証言はのらりくらり、一行は死体を埋めた場所を捜し、夜を徹して
草原を移動する羽目になる。疲れて立ち寄ったある村で、容疑者は警察官の更なる取り調べに
とうとう正確な場所を教える。死体を回収し一行は街に戻り、医者は遺体の検死を行う。

2時間40分のうち、実に冒頭1時間20分は暗闇の中、遺体を求めて草原を何度も移動。
一行は容疑者に振り回される。その間、雑談をしながらそれぞれの日常、家族の話、
友人の妻の死など、一見取り留めのないような会話が交わされる。
何度も振り回され、疲れ、苛立ち、怒りを露わにする者、なだめる者。

1時間25分経過したところで遺体を発見。
遺体を掘り出し、車に乗せ、街へ戻り、1時間45分経過したところでやっと翌朝街に到着。
画面は一転し暗闇から朝になる。
映画の実に70%が夜のシーン。ヘッドライトの明かりと、立ち寄った村での明かりのみ。
村でも突然停電になりランプが運ばれてくる。

ここから一気に事件の真相に迫るのか?と思いきや・・・。

 検死医 
         検事
      
なんとも不思議な…というか、今まであまり見たことがない映画です。
トルコはアナトリア地方の緩やかな美しい草原のなか、分かったようなわからないような。
事件に関する説明もあまりなく、容疑者の自白のみ。しかし、彼が犯人なのかも疑わしい。
死んだはずの男が登場したり(幻覚ね)、死んだ男を見たという人まで現れる始末。
検死でわかった事実も、明らかにはされない。
事件の謎を解き明かすサスペンスというよりは、
遺体捜索に関わった人々の、現在と過去、光と影、生と死がメインの物語。

特に検事と検死医の会話で何げなく語られる検事の友人の妻(おそらく検事の妻)の話、
被害者の妻と容疑者の関わり、立ち寄った村の村長の美しい娘を通して、
トルコという異文化社会の女性の立場・考え方が描かれています。
登場する女性はふたり。ふたりとも一言も語らず。

日頃、事件が起こり、経過が語られ、最後に事件の全容が明らかになるという映画を
見慣れているせいか、ここまで曖昧なままで終わる映画に戸惑いを禁じ得ません。
文化の違いを感じつつ、文化が違っても人間の本質は変わらないのかなぁとも思ったり。
リンゴが転がって川を流れていくシーンや
村長の娘が暗闇のなかランプと紅茶を運んでくるシーンは新鮮で、
曖昧模糊としているけれど、なんだか気になる…好きな映画です。

村長の娘が本当に清楚で美しく、男たちが次々に目を見張るその表情がおかしかったです。
髭を生やしたむさくるしいおじさんばっかりの中で登場したからという訳ではなく、確かにこの娘さんは美しい!
私も目を見張りました。
そしてトルコのハンサムの形容が「クラーク・ゲーブル」であることに驚きました。
何を隠そう、私は昔からゲーブルファンです。
髭がトレードマークだからかな?検事を演じる俳優さん、ゲーブルに…似てないぞ。


パルム・ドール受賞の「Kis Uykusu」をはじめ、ヌリ監督の他の作品を見てみたいです。

でも、やっぱり事件の真相が気になるなぁー😩



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 ***** 見た 映画 *****

 9月 19日 「ダラス・バイヤーズクラブ」 DVD

 9月 21日 「オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~」 DVD ロバート・レッドフォード主演
    
         「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」 DVD

 9月 22日 「柘榴坂の仇討」@109シネマズMM横浜 
 
 
 9月 24日 「イブ・サンローラン」@角川シネマ有楽町

 9月 25日 「エージェント・ライアン」 DVD

         「昔々、アナトリアで」DVD トルコ映画


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