映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

人生の特等席   TROUBLE WITH THE CURVE

2012-12-07 | 映画 さ行
久々のイーストウッド作品。
今回は監督はせず、プロデュースと主演です。
共演は「魔法」からすっかり冷めて、野球にめちゃくちゃ詳しいやり手の弁護士ミッキーを
エイミー・アダムズが演じております。
この二人の主演ということ以外何も知らずに見たのですが・・・、
次々登場する役者さんを見るだけで、
 「この人じゃなくてこっちの人と恋に落ちるね」
 「この人はきっと嫌な役どころ、デジタルアナログ?」
 「親友が一肌脱ぐのか?」
 「注目されていないこっちの子が最後に逆転ホームラン?」など、
すっかり展開が読めてしまいました
やっぱり有名どころは重要な役どころ、と相場は決まっているわけで、
そんな先入観を持って見ている邪な私の見方が悪いのか? それとも…?




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        人 生 の 特 等 席 
               TROUBLE WITH THE CURVE

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 < ストーリー >
アトランタ・ブレーブスの名スカウトマンとして何十年も活躍してきたガスだが、弁護士として
忙しい日々を送る娘ミッキーとは疎遠だ。ミッキーは事務所で昇進をかけ、今が正念場。
年齢による視力の衰えで、日常生活や仕事に支障をきたし始めているが引退するつもりはない。
大物新人のドラフトを前に、フロントはガスの能力に疑問を持ち始める。父の窮状を知ったミッキーは
仕事を何とかやり繰りし、ガスに同行し目の代わりを務めることにするが・・・。


妻を早くに亡くし、娘とふたり。
互いに相手を想い、気にかけているのに、どう関わってよいのやら。
言いたいことは一杯あるのに上手く切り出せないってありますよね。
関係が近いほど難しい。
ましてや、こんな不器用で会話の下手な頑固おやじ。
なんだか昔の日本の懐かしホームドラマみたいです。

そして二人とも、仕事の上では正念場。
コンピュータを使ってデータ分析だけでスカウトしようとする野心的な男が幅を利かせる中、
新聞でデータを拾い、足を運んで自分の目と耳で選手を選び、親身になって選手の面倒を見る
ガスのやり方は時代遅れと老いぼれ扱い。
なんだかなぁ~、時代の流れとはいえ、お金とデーターだけが重視され
長年に亘って培われた職人技といえる知識や知恵、勘が軽んじられるのは悲しいね。
革新的なものが生まれると、それまで主流だったものが終わりを迎える。

電子辞書が出始めの頃、英語の勉強で「紙の辞書」か「電子辞書」で揺れたのを思い出しました。
「力をつけるためには紙の辞書を使いなさい。面倒でも一つの単語を引く時に無意識にまわりの
単語も吸収できる。労力をケチってはいか~ん」という先生のお言葉でしたが、
軟弱な私は「やっぱり、電子辞書だよなぁ。辞書を引くので疲れて嫌になっちゃぁ
元も子もないよ」なんて電子辞書を使い続け、紙の辞書は本棚でホコリを被っております。
この映画の、イーストウッドの主張に従えばやっぱり「紙の辞書」ってことになっちゃうのかな?
まぁ、データーだけに頼らず、足を運んで目と耳でも確認しようね~って折衷案でお願いしたいところです。


法律事務所で認められ、昇進をかけたプロジェクトに賭けている娘でしたが、
仕事もこなしつつ、父にも手を差し伸べ、二人三脚でスカウトに回ります。
その過程で、ぶつかりながら、少しずつ二人が歩み寄っていく感じがいいですね。
イーストウッドの頑固おやじぶり、しかし妻の墓前で「You are my sunnshine」を歌ったり、
娘にちょっかいを出した男を殴りつけたり。娘を思う気持ちと不器用さがにじみ出てます。

娘も、大事な時に父の為に一肌脱いで…投げて打ってキャッチヤーもできる弁護士です。
「門前の小僧、習わぬ経を読む」で、選手崩れの新人スカウトマンジョニーでは太刀打ちできないません。
    
      ミッキー(エイミー・アダムズ)とジョニー(ジャスティン・ティンバーレイク)

紆余曲折がありながら、最後はふたりとも逆転ホームランをかっ飛ばします。
いい話なんだけれど、昔の古き良きアメリカ映画の王道ハッピーエンドストーリーってのが、
ちょっと出来過ぎかなぁ~。

ジョニーの存在があったからこそ、父と娘の関係修復がなされたんだけれど、
恋の修復は、いくらなんでも早過ぎるやろ~!


原題の「TROUBLE WITH THE CURVE」。
最後に球種「カーブ」が決め手となっているのと、「ふたりの人生の曲がり角」が掛っているようです。
ミッキーは角を曲がってどちらの世界に進むのかが気になるところです。

「人生の特等席」って・・・ ようわからん。


* 追加事項(2013/11/25)
  ようわからん。っと書いた日本語タイトル。
   ミッキーと父親の間で、
    「おまえには、俺のように三等席(cheap seat)の人生を歩んで欲しくない」
    「三等席なんかじゃないわ。特等席だったわよ」
   という会話がありました。
   日本語タイトルはここから来ていたのですね。
   
   




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 12月 5日「人生の特等席」@109シネマズMM横浜