映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

ヒューゴの不思議な発明 HUGO

2012-03-09 | 映画 は行
先日深夜のTV番組で「カイロ博物館」の特集を放送しておりました。
ここは行ったことがある!と見ていたら、画面が2分割で同じ画像が二つになっていました。
どこか変なボタンを押してしまったのかしら?とあれこれコントローラーのボタンを見たのですが
そのような形跡はなくおかしいな~?といぶかっていたら、
この番組は3D放送だったのでした。
TVの3D放送ってのを始めてみましたが、全編2分割でメガネをかけて見るんでしょうか?

久々に、3Dメガネを持参して「ヒューゴの不思議な発明」を見ました。
今まで見た中で、一番素晴らしい映像でした。
目の前にドーベルマンのマクシミリアンの顔やジョルジュ・メリエス役ベン・キングスレーの顔があったり、
人込みをかき分けるシーン、時計台を見上げたり、上からのぞいたり。
臨場感たっぷりでした。


鑑賞直後の感想はこちらです



   ************************ 

        ヒューゴの不思議な発明

   ************************  

 < ストーリー >
舞台は1930年代のパリ。父(ジュード・ロウ)を火事で失ったヒューゴは、駅の時計台に隠れ住み、
駅の時計のネジを巻いて毎日を過ごしていた。 独りぼっちになった彼の唯一の友だちは、
父が遺した壊れたままの「機械人形」。その秘密を探るうちに、機械人形の修理に必要な「ハート型の鍵」
を持った少女イザベルと、過去の夢を捨ててしまった老人ジョルジュ(ベン・キングズレー)に出逢う。
やがてヒューゴは、機械人形に隠された秘密を知る。父の残した機械人形に導かれ、ジョルジュの秘密を
知り・・・。


スコセッシは今まで暴力系血しぶきが飛ぶような非情な世界を描く映画で知られた監督さんです。
映画「ホリディ」の中で、文字の色を「スコセッシのにして」という台詞がありました。
つまり「血の色の赤」の代名詞になっているほど暴力描写が有名ってことですね。
本作は、そんなスコセッシ監督が12歳の自分の娘の為に作った映画だとか。
自分が読んだ本を、お父さんが映像化、それも3Dで作ってくれるなんて…、なんと幸せなお嬢さんでしょう。
間違いなく、お父さんの株は急上昇ですね。

でも・・・監督は本作でアカデミー監督賞が欲しかったでしょうね。作品賞も・・・。
かなり狙っておられたと思いますが。 映画への愛に溢れた作品なのにねぇ。
逆に「アーティスト」への期待が高まります。


 
  
 ベン・キングスレーがメリエスを演じています。            ジョルジュ・メリエスご本人
インド人(「ガンジー」)でもアラブ系でも、フランス人にもなれる
カメレオン俳優さんです。

ヒューゴが主役だけれど・・・、本当の主役は実在の人物ジョルジュ・メリエス。
この方、何と波乱に富んだ人生でしょう。
この映画で描かれるメリエスの人生はほぼ彼の人生そのままです。
元々はマジシャンで劇場経営者。リュミエール兄弟に影響を受け映画製作に乗り出し、
特殊効果撮影、ストップモーションなどの初期技術を開発。
あっと驚くような作品で人気を博し、1896年から1913年の間に500を超える作品を制作するも
次第に人気に陰りが出て破産。多くの作品は失われてしまったようです。
その後モンパルナス駅の売店でキャンディーやおもちゃを売っていたといのも事実です。
1931年にはレジオン・ドヌール勲章を受章、76歳で亡くなられたようです。

  
      ジュード・ロウはちょこっとだけ出演です。

ヒューゴと「からくり人形」が、忘れ去られていた彼の業績に再び光を当てるというファンタジー仕立ての
ストーリーが、彼が始めた特殊効果を駆使した映像で描かれるって、とっても素敵です。
アカデミー賞でも「特殊効果賞」受賞です。

これまた忘れ去られていた「からくり人形」を動かす鍵が型っていう演出も憎いね!


キック・アス」でヒット・ガールを演じた
クロエ・モレッツちゃんがメリエスの養女をイザベルを演じ、最後にナレーションをしていますが、
メリエスの本当の孫娘マドレーヌ・メリエスさんが
「魔術師メリエス―映画の世紀を開いたわが祖父の生涯」という本を書いているんだそうです。
読んでみたいけれど・・・Amazonで一品もの¥32800ーって
         


リュミエール兄弟がいて、
エジソンがいて、
メリエスがいて今の映画があるんですね。

本作にはキートンやチャップリン、ハロルド・ロイドなどの白黒サイレントコメディーの映像もあって、
とてもうれしい。
一粒で2度、3度。いえ、4度くらい楽しめる素敵な映画でした。

「たった一つでもネジがなければ機械は動かない。人にもみな、果たすべき役割がある」
みたいなメッセージにも心動かされました。





にほんブログ村 映画ブログへ