映画の話でコーヒーブレイク

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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙  The Iron Lady

2012-03-30 | 映画 さ行
何度も予告編を見て、見たかった本作。
公開から1週間を経て、平日なら空いているだろうとネット予約もせず行ったのですが、
中高年を中心に80%ほどの入りでした。
春休みで映画館は混雑しており、子供が走り回っておりました。



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    マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 The Iron Lady 

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言わずと知れた「鉄の女」マーガレット・サッチャーの半生の物語。
2008年に出版された娘のキャロルによる回顧録で、彼女が認知症を患っていることが明らかにされた
そうで、引退後記憶が曖昧になり既に亡くなった夫デニスとの会話によって過去を振り返るという
かたちで、半生を描いています。

階級意識の強い英国で、中産階級出身の女性が政治を志すというのがいかに大変な事だったか
がよく描かれてます。
「雑貨商の娘」だの「甲高い声」だの。
女がしゃしゃり出てと陰口をたたかれ、冷やかな態度を取られる。
そんな中、髪型や服装を変え、発声法を学び、誇り高く信念を貫く姿は潔い。
選挙に際し、2週間で体重を9kg減らすダイエットまでやっていたとは、アッパレの一言です。
  

サッチャリズムには賛否両論があるようですが、英国経済がどん底の中、立て直しのため大ナタを振るい、
フォークランド紛争勃発に際し「人命に代えてでも我が英国領土を守らなければならない」として
艦隊・爆撃機派遣を即断。
国民からの反発、ストと暴動の中、IRAにも狙われたって・・・。
何とも壮絶な日々。決断する政治家って孤独です。「鉄の女」にならなきゃやってられませんわ。

私、政治家に一番必要な資質は決断力だと思います。
自分の信念に従って、反対勢力の誹謗・中傷に耐え貫き通す力です。
サッチャーさんは次々厳しい決断を下し、11年間首相の座を守り切った超ハンサムウーマンだということを
この映画で再認識しました。
ただ、彼女の語録などを見ると、お固いだけじゃなくてなかなかユーモアのセンスもおありのようです。

だからこそ、彼女が認知症を患ってまだらボケになった老いた姿を敢えて描写する必要があったのかと
思わずにはいられません。
監督さんは、強靱なサッチャーさんとて妻であり母であるひとりの女性であるという視点から描いた
ということのようですが、辣腕をふるった「アイアンレディー」の姿だけじゃいけませんか?
改めて、サッチャーさんのドキュメンタリーが見たくなりました。

サッチャーさんの横にいたのは彼女の後を継いだメージャー氏だと思うのですが…なんとも頼りないなぁ。


         
アカデミー主演女優賞に輝いただけあって、メリル・ストリープはスゴイです。
颯爽と演説するサッチャー。
窮地に立つサッチャー。
野党男性議員をやり込めるサッチャー。
認知症を患い、夫の亡霊と話す老いたサッチャー。
それぞれの姿を、英国訛りの英語でお見事!です。



サッチャーさんと同時期アメリカ大統領だったレーガン氏も晩年認知症を患っていたのですね。
ウィキペディアによると、ホワイトハウスを去って4年後アルツハイマーと診断されたとあるのですが、
「発症時期には諸説あり、在任中には既に患っていたとする説もある」って・・・!マジ?!






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