縫いぐるみの様な愛らしいホッキョクグマのクヌートを観ているだけでも
心がホンワカしてきて幸せになった。
この映画の製作者側としては地球温暖化の為に北極の氷が溶けて
ホッキョクグマが絶滅の危機にさらされている現実を受け
環境保護を訴えるメッセージを伝えるのが目的のようだが仲間を救う
シンボルとして環境保護大使に任命されたクヌートがあまりにも
可愛すぎて肝心の重たいメッセージがあまり届かない気がした。
スクリーンのクヌートを観ている自分の顔の緩み加減がちゃんと判っていた。
クヌートはベルリンの動物園で生まれたが母熊の育児放棄にあい
飼育係のトーマスさんによって育てられた。
そのトーマスさんとクヌートの日常を映す映像はもう滅茶苦茶楽しくて
可愛い。まるで本当の親子の姿だった。
でもそのトーマスさんは昨年44歳の若さで病死されたとの事。
クヌートはトーマスさんのいない日々をどう過ごしているのだろうと
気になって仕方ないが遥かベルリンでは知りようもない。
この映画はクヌートの成長の記録をメーンにクヌートとはまったく
違う環境で育っている野性のホッキョクグマの親子とロシアの森で
母熊を人間に殺された幼いヒグマの兄弟の生態を対比映像として
織り込んである。
北極の自然の中で餌を求めて厳しい日常を過ごす子熊には母熊の暖かい
懐とオッパイがある。
又、森でいろんな敵と戦いながら兄弟で助け合いながらじゃれあったり
泳ぎを覚えたりと自然を満喫しているヒグマの兄弟。
そしてクヌートには人間から与えられる食事と住居の贅沢な環境。
三者三様の育ち方だが果たしてどの環境が子熊にとって
幸せなのだろう?と考えさせられた。
熊本弁でひとこと
なんさま、むぞらしかけん、いっぺん、観てみなっせ!