読書な日々

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『恋のスケッチ―応答せよ1988―』

2018年08月18日 | 映画
韓国ドラマ『恋のスケッチ―応答せよ1988―』



これまで見た韓国ドラマのなかでも私のお気に入りのトップ5に入るドラマだ。

ときはソウルオリンピックが行われようとしている1988年初夏のソウルの下町の5人の幼なじみの高校生たちの家族。

長女ボラ(ソウル大学生)、次女ドクソン(高校生)、長男ノウル(高校生)がいるソン家。

長男ジョンボン(浪人生)と次男ジョンファン(高校生)がいるキム家。これらの家族のなかで一番裕福で、その屋敷の半地下を上のソン家が借りている。

長男ソヌ(高校生)、長女チンジュ(4才くらい)がいるソン家。ソヌの父は数年前に亡くなった。母が一人で子どもたちを育てている。

長男(ほとんど出てこない)、次男ドンリョン(高校生)がいるリュ家。ドンリョンの父はこのドラマの男子高校生たちが通う双門高校の教師をしている。母は保険会社の重役をしていて、ほとんど家にいない(?)。

長男テク(韓国トップの棋士)がいるチェ家。父は時計屋をしているが、ほとんど客はいない。

下町なので、この5人の家族はほとんど一つの家族のようにしている。とくに子どもたちは、ちょうど食事時にやってきたら、一緒にご飯を食べるし、つねにおかずや貰い物なんどをおすそ分けしあっている。

ドクソンの母、ジョンファンの母、ソヌの母の三人は仲良しで、気候が良ければ、路地で一緒に豆もやしの下ごしらえをしたり、ビールを飲んだり、焼き芋を食べたりして雑談している。

冒頭でドクソンがソウルオリンピックのどっかの国のチームの看板をもって入場行進する担当に選ばれたというエピソードがあってから、ソウル大学生のボラが学生運動に参加して警察から追われるとか留置場に入れられるという、ちょっと社会的な出来事以外には、大した出来事は起きない。

5人の高校生たちの人間関係、学校での生活(なぜかほとんど自習時間ばかりが描かれている)、だんだんと芽生えてくる恋心(ソヌとボラ、ドンソクとテク、ドンソクとジョンファン、ジョンボンとドンソクの級友のマギー)、受験勉強の日々、などが普通に描かれているだけだが、彼らの不器用さがちょっと強調されていて、面白い。

もう後数回で終わるが、24才になった彼らは、ドンソクはCAに、ソヌは医学部の学生に(司法修習生となったボラと再び付き合うようになった)、ジョンファンは空軍に配属され、ドンリョンは飲食店を経営し、テクは相変わらず韓国トップの棋士として活躍している。

韓国ドラマ固有の愛憎ドロドロはいっさいなく、庶民の暮らしがいきいきと描かれている。日本のドラマのように、すぐに泣かせよう泣かせようとするところも、いっさいない。作りもの感がない稀有なドラマだ。



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