劇団大阪『獏のゆりかご』(劇団大阪第78回本公演、2016年)
台本の作者は青木豪、演出は兵庫県立ピッコロ劇団の岡田力。劇団大阪の本公演とはいえ、演出を外部から招いている点で、ちょっと異色の作品といえる。当日もらったパンフレットの「ごあいさつ」にも「いつもの劇団大阪公演とは一味違った風合いの世界」と書かれている通り。
まずテンポがじつに早い。会話のやり取りがポンポン進む。けっして漫才のような掛け合いではないが、よく考えこまれたセリフのやり取りを、演者たちも小気味よく演じている。言葉と表情がそのまま一体化しているので、演者たちもセリフを完全に自分のものに消化しているのが分かる。
話が二転三転していくので先が読めない。要するに、本筋は動物園の副園長の菅原とバツイチで子持ちの岡田の恋愛問題なのだが、これに、若手の職員の小森とアルバイト職員の那須の恋愛がからみ、クレーマー立川がからみ、X-JAPANのよしきを意識している客の江藤が絡んで、複雑なあらすじを作り出している。
演者たちがその個性を際立たせる演技をしているので、じつにわかりやすい。決して話がこんがらがることもない。みんな演技がじつに上手いので、初めて見る演者は、この人ってこんな人なんやなと思い込んでしまいそう。
芝居の面白さを堪能させてくれる、良い作品だった。
台本の作者は青木豪、演出は兵庫県立ピッコロ劇団の岡田力。劇団大阪の本公演とはいえ、演出を外部から招いている点で、ちょっと異色の作品といえる。当日もらったパンフレットの「ごあいさつ」にも「いつもの劇団大阪公演とは一味違った風合いの世界」と書かれている通り。
まずテンポがじつに早い。会話のやり取りがポンポン進む。けっして漫才のような掛け合いではないが、よく考えこまれたセリフのやり取りを、演者たちも小気味よく演じている。言葉と表情がそのまま一体化しているので、演者たちもセリフを完全に自分のものに消化しているのが分かる。
話が二転三転していくので先が読めない。要するに、本筋は動物園の副園長の菅原とバツイチで子持ちの岡田の恋愛問題なのだが、これに、若手の職員の小森とアルバイト職員の那須の恋愛がからみ、クレーマー立川がからみ、X-JAPANのよしきを意識している客の江藤が絡んで、複雑なあらすじを作り出している。
演者たちがその個性を際立たせる演技をしているので、じつにわかりやすい。決して話がこんがらがることもない。みんな演技がじつに上手いので、初めて見る演者は、この人ってこんな人なんやなと思い込んでしまいそう。
芝居の面白さを堪能させてくれる、良い作品だった。