木村泰司『印象派という革命』(集英社、2012年)
マネの『草上の昼食』や『チュイルリー公園の音楽祭』そして『オランピア』、モネの『ラ・ジャポネーズ』『日傘の女』そして大作『睡蓮』、ルノアールの『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』『踊り子』そしてあの有名な『ピアノに寄る娘たち』や『浴女たち』、ドガの『エトワール』や『舞台上のバレエの稽古』などの踊り子もの。もちろん日本人だけがというわけではないが、日本人は印象派が好きだ。
そしてこの本の序章は、文字通り「なぜ日本人は「印象派」が好きなのか」について書かれている。印象派以前の近世から近代にいたるフランス絵画(もちろんイタリア絵画もそうだが)はほぼ古典主義的で、ギリシャ・ローマ神話やキリスト教の内容が主題になっており、そういうヨーロッパ的教養をもたないと理解できないそれらの絵画と違って、印象派は19世紀のフランス人の日常生活や風景が主題となっており、そういう教養をもたない日本人にも理解できるから、というのがこの著者が与えている説明だ。常々不思議に思っていたことが、これで氷解した。
この本は、古典的絵画を見るときに必要なギリシャ・ローマの神話やキリスト教的教養がどのようにその時期の絵画に現れているかも、口絵を載せて簡単に触れているから、わかりやすい。
もちろん主体は印象派のための本なので、それに何章も当てられているが、個々の印象派の画家について説明する前にまず、古典主義にたいする変革の第一段階として、「何を描くのか」という視点から古典主義に反旗を翻したクールベ(写実主義絵画と言われる)やバルビゾン派の革新性を指摘し、さらにそれを継承する形で印象派が「いかに描くか」を問題にすることで絵画「革命」を遂行したことが解説されている。
第二章以下は最初に挙げた印象派の画家について一章ずつ当てて詳しく記述されている。
![]() | 印象派という革命 |
木村 泰司 | |
集英社 |
マネの『草上の昼食』や『チュイルリー公園の音楽祭』そして『オランピア』、モネの『ラ・ジャポネーズ』『日傘の女』そして大作『睡蓮』、ルノアールの『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』『踊り子』そしてあの有名な『ピアノに寄る娘たち』や『浴女たち』、ドガの『エトワール』や『舞台上のバレエの稽古』などの踊り子もの。もちろん日本人だけがというわけではないが、日本人は印象派が好きだ。
そしてこの本の序章は、文字通り「なぜ日本人は「印象派」が好きなのか」について書かれている。印象派以前の近世から近代にいたるフランス絵画(もちろんイタリア絵画もそうだが)はほぼ古典主義的で、ギリシャ・ローマ神話やキリスト教の内容が主題になっており、そういうヨーロッパ的教養をもたないと理解できないそれらの絵画と違って、印象派は19世紀のフランス人の日常生活や風景が主題となっており、そういう教養をもたない日本人にも理解できるから、というのがこの著者が与えている説明だ。常々不思議に思っていたことが、これで氷解した。
この本は、古典的絵画を見るときに必要なギリシャ・ローマの神話やキリスト教的教養がどのようにその時期の絵画に現れているかも、口絵を載せて簡単に触れているから、わかりやすい。
もちろん主体は印象派のための本なので、それに何章も当てられているが、個々の印象派の画家について説明する前にまず、古典主義にたいする変革の第一段階として、「何を描くのか」という視点から古典主義に反旗を翻したクールベ(写実主義絵画と言われる)やバルビゾン派の革新性を指摘し、さらにそれを継承する形で印象派が「いかに描くか」を問題にすることで絵画「革命」を遂行したことが解説されている。
第二章以下は最初に挙げた印象派の画家について一章ずつ当てて詳しく記述されている。