読書な日々

読書をはじめとする日々の雑感

『ゆゆのつづき』

2020年04月27日 | 作家タ行
高楼方子『ゆゆのつづき』(理論社、2019年)

うちのトイレにカミさんが読みかけの雑誌を置いていて、トイレのときにたまたま手にとって見たところにこの本の書評があった。

新型コロナの影響で、図書館で本を借りれない状況がなかったら、決して読むことがなかった本だ。だって、わざわざ古書のサイトでこれを見つけて買うなんて、普通ならありえないことだから。

57歳の由由(ゆゆ)は翻訳家をしている。たぶん住んでいるのは函館だろう。坂の上の家から海が見える。市電がある。龍彦さんは暑い東京を避けてやってきてひと夏を過ごすことになる、というのだから。町の風景の描写がなかなか素敵だ。

私も函館には二回ほど行ったことがあるがいいところだと思う。この函館を舞台に、由由が11歳の時の夏休みに経験したことを思い出し、その時に一度だけ会った「たつひこ」さんとの思い出を、46年後の夏に「龍彦」さんに「再会」して、当時の自分の恋心を生き直すという話である。

やはり少年と少女の違いなんだろうか。あるいは単に私の感性がにぶいだけのことなのだろうか。私にも少年時代のいろんな思い出がある。今から思い出しても不思議な気持ちになる思い出とか、あの頃に帰りたくなるような思い出とか。11歳といえば、小学校の4年生か5年生だろうか。でもこんな風にその続きを生き直してみたいというような思い出ではない。

それにしてもデュラス(フランス人女性作家)といい、ランパル(フランス人フルーティスト)といい、似たような時代を生きてきた同世代の人だということはわかる。

『ゆゆのつづき』へはこちらをクリック


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いますぐ無能な首相を罷めさせよう

2020年04月17日 | 日々の雑感
いますぐ無能な首相を罷めさせよう

医療崩壊が止まらない。今日の朝日新聞に医療関係者のインタビュー記事が載っていたが、政治がまったく無策のために、医療関係者は疲弊し、いつ医療崩壊が起きても不思議でないという話だ。

安倍が言っていたマスク二枚が送られ始めているようだ。これも昨日の朝日新聞によれば、市販の不織布のマスクに比べて小さくて、大人ではまったく防護にならないようだ。今からでも遅くないから、こんなものに450億年もかけるのは止めて、医療関係者の支援のために使ってほしい。

それよりもなによりも、こんな無能で無策で、責任感も何もない首相を今すぐに罷めさせよう。そして「外出自粛・休業要請と一体の補償、検査体制の強化、医療現場への財政的支援」という今すぐ必要な政治を責任感をもって実行できる首相、国民の命と生活を守ってくれる首相に変えよう。このままでは私たちは新型コロナ禍という政治に殺されてしまう。

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日本政府は医療関係者を守れ

2020年04月12日 | 日々の雑感
日本政府は医療関係者を守れ

新型コロナの問題で、医療の最前線で闘っている医療関係者を守るために政府は何をしているのだろうか。

感染の危機に晒されているのは医療関係者だ。重傷者を医療しているだけでなく、軽症者対応の関係者たちにも防護服が必要だが、まったく足りていないという。

さらにこうした緊急の事態のために、医療関係者の心労は甚だしい。彼らは家族への感染を怖れて、自宅に帰らずに、自腹でホテルに寝泊まりしている人も多数いるという。

2枚のマスクなんて馬鹿なことを言っている暇があったら、政府は医療関係者を守るためにお金と指導力を使うべきだ。

すぐにでも医療専用のマスクや防護服や重症患者用の医療機器の増産をメーカーに追加金を払ってでも作ってもらうように指導すべきだ。

そして希望する医療関係者にはホテル代の支援や、その他必要な支援をして、心置きなく医療に専念できるようにしてもらうようにすべきだ。

政府がしていることって、政府発表よりも先に休業を発表した百貨店業界の代表を呼びだして叱りつけたという。何省の官僚かしらないが、こいつらバカだとしか言いようがない。政府のトップがトップだから、官僚も同じようにバカになる。

「7都府県は休業要請に応じた事業者らに国が補償するよう求めたが、西村経済再生担当相は国による休業損失の穴埋めは重ねて否定した。」100兆円とか自慢していたが、どこに使うつもりなんだ。

これにたいして鳥取県は大したものだ。
「新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、鳥取県は9日、「ドライブスルー方式によるPCR検査」を全国に先駆けて導入すると発表した。平井伸治知事は「鳥取独自の“疑わしきは検査する”やり方で、医療機関での院内感染のリスクを下げる」と説明している。」
やっぱりトップが違うからとしか言いようがない。

コロナの感染者数も死者数も、日本政府が発表しているのは嘘ばかり。戦時中の大本営発表と同じで、政府の希望的数字にすぎない。埼玉県の知事がPCR検査を抑制していたと公にしたように、どこの県のトップも同じこと。たぶん政府が指示しているのだろう。そうでなかったら、またまた忖度?

内田樹さんがこんなツイッートを出している。
「日本政府がこのまま「屑データ」しか出さないで、どこかで適当に「ウィルスに勝利」宣言をした場合、世界の疫学専門家たちが「日本の出すデータは信用できない」と言って、国交の再開に抵抗する可能性があります。世界の国々が行き来を再開した時に、日本だけが「鎖国」。これ、最悪のシナリオです。」

まさにこのとおりだと私も心配している。どの国も徹底して検査をやって、正しいデータに基づいて対策を取っているから、数字が減っていけば、終息を宣言することができるだろう。だが、日本は嘘のデータに基づいてやっているので、終息宣言なんか世界中の誰も信じないだろうし、実際に最後の最後まで終息できないことになるのではないか、それは逆に言えば、世界が終息した時点で、世界から完全にシャットアウトされてしまうことになるという心配がある。

ワクチンのことについてもこんなツィートをしている。
「ワクチン開発技術があるのは米、中、EUだけです。最初に開発したところがそれを最大限戦略的に使おうとする。EUはEUメンバーの次に北アフリカとトルコ中東に優先的に配布。米は北米と中米に配布した後は高値で売りつけ。中国は「医療支援」でアジア、アフリカに「盟邦」を形成しようとする。

日本に笑顔で「どうぞ」とワクチンを提供してくれるところはどこにもありません。EUは知らん顔、アメリカはすさまじい価格を提示してくれるでしょう。唯一お安く提供してくれそうなのは中国。ただこの医療支援はそのあと高くつきそうです。」

目先の利益ばかりに囚われた政策を取ってきたツケがこんなところで回ってきている。大阪も維新が公衆衛生の研究所などを縮小してきたせいで、PCR検査ができるところがわずかしかないという。

そして、こんなことが…
「東京では「改憲」、大阪では「都構想」。新型コロナ禍の社会不安に乗じ、不要不急というより、明確に「不要」な議論が火事場泥棒的に進んでいく。
自民党、改憲論議を「強行」https://this.kiji.is/621168423787545697」




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『反日種族主義』

2020年04月10日 | 評論
李栄薫(編著)『反日種族主義』(文藝春秋、2019年)

なんだかすごい本を読んでしまったというのが偽らざる印象だ。

韓国は民主化以降、左右の政権(左右という分け方も、保守革新という分け方には疑問だが、とりあえず)がだいたい一期で政権交代してきた。そしてそのたびに、前政権の大統領は貶められる。裁判を受けて有罪になったり、誹謗中傷を受けて自殺したりと、他の大統領制の国々では考えられないようなことになる。

前政権が対外的に(とくに日本と)交わした条約とか取り決めも、政権が変わると、破棄される。慰安婦問題がそう。

この本は、日本に対する歴史認識が大きな「嘘」の上に成り立っており、それに基づいて韓国の教育が行われているので、そうした反日種族主義が増幅されて、たんに日韓関係だけではなくて、韓国の発展そのものを阻害しているという認識から、書かれたものだ。

戦時下の強制動員、竹島問題、慰安婦問題など、日韓双方で主張が対立している問題について、私には断定を下すほどの認識はないので、保留しておく。

ただこの本を読んで感じたのは、日韓の問題と言われているものの多くが、日韓の問題ではなくて、韓国自身の問題なのではないかという気がしたことだ。だからこそ、韓国の学者たちがこうした形で声を上げざるをえなかったのではないか。
『反日種族主義 日韓危機の根源 (文春e-book)』へはこちらをクリック




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もう、悲しくなっちゃう

2020年04月09日 | 日々の雑感
もう、悲しくなっちゃう

私はツイッターはやっていないのだが、おもに内田樹さんのツイッターを見ている。彼の人柄や人脈もあってだと思うが、ここには非常に有益な情報が入ってくるからだ。

「新型コロナに感染した研修医が会食してたやつ、確かに軽率だけど、「レストランで会食して何が悪い」的なことを3月末に言ってた総理大臣がいましたよね?」→妻の昭恵夫人がレストランで桜を見る会をやっていたことについて

「一律現金給付をして自宅に居てくださいといえば済む話なのに、それをせず「人との接触を7割減らせ」という安倍首相。竹槍でB29を落とせと言っていた戦時中から、竹槍を無くして素手でやれと言っているようなもの。ここまで愚かだと逆に感心してしまう。」

「みんな自分の生活が補償されていればStayHomeとか言って家で歌いながら動画撮って外出自粛するんですよ。自分の生活が補償されてないから外に出て働くんです。家賃や光熱費が払えないから外出せざる負えないんです。」

「【国に届いて欲しい!】
軽症者にホテルを貸し切るのは素晴らしい。
でも、それに加えて必要なのが、自宅に帰れない医療者のためのホテル無償提供。
自分の周辺でも、自宅へ感染を持ち込むリスクから、自腹でホテルに泊まっている医師や看護師が多数います。
これ、医療を守るために、大事な支援では?」

「「<在日ドイツ大使館から在日ドイツ人にメールが配信され、「検査数が少ないため、かなりの規模の未報告感染が発生していると考えられる」と注意喚起されていた......>」
普通はそう考えるでしょう。」

「麻生の「つまらないこと聞くねえ」は「当然補償はするに決まっている」という意味じゃなくて本当に「補償なんてつまらないことはやらない」という意味だったし、安部の「責任を取ればいいというものではない」は本当に「責任なんて取らない」って意味だよ。期待するな。」

100兆円の対策費を予定しているって偉そうに言っていたけど、休業補償はしないんだって。何に100兆円も使うの?たしか大企業には1000億円の支援とか言っていたけど…

首相や副首相の無能ぶりに、ほんと悲しくなっちゃう!!

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こんなことやってて大丈夫?

2020年04月08日 | 日々の雑感
こんなことやってて大丈夫?

以下は「ある外科医のボヤキ」さんのツイッター(4月5日)
「今日、心肺停止て運ばれてきた患者がいた。数日前からの39度台発熱。蘇生したが亡くなった。CTをとると、肺炎像、スリガラス様の陰影が多発。コロナウィルス感染も否定できないため保健所に検査の依頼をしたが断られた。感染者と濃厚接触してなければできないと… こんな状況では必ず蔓延してしまう。」

相変わらずコロナウィルスの検査が抑制されている。誰がこんな指示をしているのか知らないが、こんなことでは、日本全体の感染者数も死者数もまったく把握できないだろう。

前から何度も言っているが、日本の感染者数4460人、死者数106人なんて、まったくの偽のデータだと思う。上のツイッターにもあるように感染者と濃厚接触していなければ検査してくれないのだから。たぶん実際にはアメリカなんかのように10万人超えになっているのではないだろうか。死者も実際には数千人になっているはずだ。

こうした実態を把握したうえで、緊急事態宣言を出さなければ、まったく意味がないし、自粛をとか、協力をとか言われても、どうしたらいいのかわからない。ただただ自由が拘束されて、不満がたまるばかりだ。

結局、クルーズ船で取るべき手立てを打たないでいたために感染をひろげたのと同じことを国内でもやっているような気がする。

韓国のように徹底して感染を調べ、軽症者や無症状者は自宅待機やホテルを確保して待機してもらう、発熱や咳などの症状が出ている人には病院で隔離する、重傷者には人工心肺装置などを確保する、そういう症例ごとの対応を病院や医師会と連携してやる以外に、感染拡大を抑えてる方法はない。

初期には、医療崩壊を防ぐために、PCR検査の抑制もしかたがなかったかもしれないが、今となっていは検査をしないと、住民はパニックになってしまう。

素人の私でも分かるようなこんなことが出来ないで、マスク2枚なんてことを偉そうに言っている政権に任せていて大丈夫だと思いますか?



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本当にその通りと思うツイッターを集めてみた

2020年04月04日 | 日々の雑感
本当にその通りと思うツイッターを集めてみた

山口二郎ツイッター
今日、久しぶりに水野和夫さんと話をした。460兆円を超える企業の内部留保。「まさかの時」に備えてため込んだ富。今、まさに「まさかの時」なので、惜しまず放出して、従業員や下請け企業に金を回して、みんなが生き延びられるようにしろという指摘、目から鱗が落ちる思いだった。

池田清彦ツイッター
役に立たないマスクを一般国民に配るより、同じ金をかけるなら、高性能のマスクを医療従事者に無償で配る方がはるかに賢明です。

望月優大ツイッター
戦慄した。日本集中治療医学会の理事長声明。
死亡率11.7%の伊と1.1%の独の違いは集中治療体制の格差が要因だと。ICUのベッド数は独が人口10万あたり29-30床で伊は12床→伊では集中治療を受けずに多くが亡くなっている。だが日本は更に少なく10万あたりわずか5床しかない。https://jsicm.org/news/statement

笹山登生ツイッター
マスクが不足なことは、たしかだけど、いちいち、ムダな配送コストかけて、政府に、全世帯に配ってくれとまでは、国民は要望していない。ごく普通に、近所のドラッグストアーで、カネ出して、買えるようにしてもらいたい。

JINTAツイッター
ニュージーランドではキャンピングカーを使用した新型コロナウィルス対策病院をあっと言う間に設置。悪化したら救急車に変身。設備の整った病院へGO 赤いビックリマーク
考えてるよな?。
日本政府って何かやってる?
要請だけ?


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『ばんとう』

2020年04月02日 | 作家マ行
松本薫『ばんとう』(今井出版、2017年)

鳥取県の米子で作家活動をしている松本薫さんの最新作である。

「ばんとう」というのは、鳥取県で最初に私立中学(旧制)を作った豊田太蔵の雅号である。

1856年に鳥取県の中央にある由良に生まれた豊田太蔵が、由良の村長をしながら、早くから人材育成のために、鳥取県の中央に、農学校でも商業学校でもなく、普通科の中学校を作るために奔走した。

しかし明治政府の学校行政そのものがコロコロと変化する上に、最初は住民の教育への無理解、その後は資金難や学校の競合などで、思うように進まず、それでも鳥取県出身の文部大臣・奥田義人やその後任の一木喜徳郎らの認可によって、1914年に私立由良育英中学校が設立されることになる。

大正5年に設立された由良育英中学はちょうど教育への人々の関心の高まりや、公立中学校の試験を落ちた生徒たちをも受け入れることで、順風満帆の船出をする。

昭和12年、1937年に豊田太蔵は死去するが、戦後の1946年には県立由良育英高校となる。

松本薫さんの筆の力で読ませるし、主人公の豊田太蔵の学校設立への執念深いほどの熱意は素晴らしいと思う。だが、やはり彼も時代の子というべきか、女性教育への無理解は、たぶん松本薫さん自身も触れておきたいと思ったのだろう。自分の娘が女子師範学校へ入りたいというのを断念させたくだりなどが書かれているのも、好感がもてる。

人間、これだけの信念を持ち続けて、さまざまな困難を乗り越えて、初志を貫徹するというのは、生易しいことではない。鳥取県にこうした人物がいたことに驚く。

だが、その学校が戦後に県立になったことは残念だと私は思う。ずっと私立の学校として開校の精神を堅持してもらいたかった。豊田太蔵自身が一番残念に思っているのではないだろうか。

『ばんとう―山陰初の私立中学校をつくった男』へはこちらをクリック

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