読書な日々

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『赤ひげ2』

2019年12月18日 | 映画
NHK時代劇『赤ひげ2』

金曜日の夜(私は日曜日の夜の再放送を見ている)にNHK時代劇の枠があって、いまは『赤ひげ』のシーズン2をやっている。これがめっぽう面白い。(NHKさんへ、左の写真借りました。)

もちろん赤ひげは山本周五郎原作で、黒澤監督の映画が有名だが、船越英一郎演じるこちらの赤ひげも負けていない。船越英一郎が、偏屈だが、底辺の民や病人を慈しむ姿を見事に演じているから、そこで働く医師たちや患者たちの姿もくっきりと見えてくる。

長崎留学もして、御典医にさえなれそうな(父親はそういう身分である)保本は、シーズン1では赤ひげに反発して反発して、今にも養生所を飛び出しそうだったが、シーズン2では結婚もしたし、落ち着いている。それ以上に、赤ひげのいい片腕として働いている。一応、この人の目線で、物語は進行しているようだ。

保本よりも前から働いている医師の津川がまた変なやつでおもしろい。前田公輝という、他の番組ではあまり見かけない役者だが、皮肉っぽいものの言い方をするところとか、的確な演技が味を添えている。この役者もなかなかいい。

3人目の医師は田山という若者で、シーズン2から登場したので、新入りということになっている。前々回は自分がなんでもかんでも責任をひっかぶるという話の主人公になったが、まだまだ登場人物としての役柄もこなれていない。脚本家のせいだね。

養生所で賄いや洗濯をして働いている二人の女性(お常とお雪)もシーズン1から出ているが、味があっていい。お常なんか、顔が素晴らしい。

そしてシーズン2から登場したのが、もと娼婦で、客に足を刺されて、運び込まれ、そのまま治ってからも、賄いや洗濯仕事をするようになったおよねである。佐津川愛美という、この人もほかで見たことがない役者だ。どういう経歴の役者かしらないけど、この人の演技が実によい。とくに顔の表情の作り方が絶品だ。とくにいいなと思ったのは、足の怪我が治って、養生所で働くようになったが、娼婦として働いていたので、家事ができない。料理も最初は見様見真似でやったので、野菜の切り方がが不揃いだったり、味噌汁の味付けが悪かったり。それを保本にしてきされて、ぶんむくれた時の表情が、よかった。

このまま養生所に居付くのか、それともシーズン2だけで終わるのか知らないが、これからも登場してほしい役者さんだ。

今週でシーズン2は終わるが、シーズン3を楽しみにしている。このNHK時代劇の枠は、雲霧仁左衛門、立花登青春手控え、子連れ信兵衛とか面白いものが多い。期待してるよ。

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