江畑謙介『日本の軍事システム―自衛隊装備の問題点』(講談社新書、2001年)
こういう問題にとりたてて興味があるというわけでもないが、現在の自衛隊ってどういうことになっているのか、よく世界でも最強の軍事力を持っているというけど、具体的にはどういうことなのかをちょっと知りたくて、読んでみた。
2000年に始まった2005年度までの中期防計画にもとづいて書いてあるので、かなり古いと言っても過言ではない。あれから数年のあいだに、つまりコイズミ政府のあいだに日本の軍事戦略はイラクに軍隊を送って、表向きは民生のための活動であって軍事活動はしないということになっているし、また一応軍事行動らしきものはとっていないし、死者も0ということになっているけれども、裏では軍事行動がいつでも取れるような訓練なり準備なりを現地でやっているのではないだろうか。いずれにしても2000年時点まで堅守していた専守防衛という立場は表向きは変えていないにしても、実際にはアメリカの世界戦略に組み込まれている。
それにしてもこの本を読む限りでは、世界で2番目の軍事費をもち(ただしGDP比率では1.5%という平凡な数字だが)、東アジアの「不沈空母」とまで言われた割には、ぱっとしない印象をもつのは、もっと軍備を増強せよ、近代的なものにせよ、でなければ抑止力にならないぞという、この著者の執筆動機がはっきりと、読後の印象という形で現われているのだろうか?
たまにケーブルテレビでやっているアメリカの軍事テクノロジーの紹介番組を見るのだけど、その最先端のテクノロジーはすごいことなっているようだ。この本のなかでも完全にデジタル化した場合の、「軍事における革命」(爆弾や弾で人や物を殺傷・破壊するという方法の革命ではなく、爆弾や弾で人や物を殺傷・破壊するにいたるプロセスにおける革命)の最先端のイメージが描かれているが、文字ではその驚異的なリアリティーは伝わってこない。やはり映像のほうが強烈であることは言うまでもない。
でもコスタリカはアメリカの裏庭と言われる中米で軍備を放棄して平和国家を作り上げているのだから、軍備の放棄という憲法9条の精神をいかして、軍備を持たない、いかなる軍事同盟にも加わらないということで、抑止力にすることはできないのだろうか?
こういう問題にとりたてて興味があるというわけでもないが、現在の自衛隊ってどういうことになっているのか、よく世界でも最強の軍事力を持っているというけど、具体的にはどういうことなのかをちょっと知りたくて、読んでみた。
2000年に始まった2005年度までの中期防計画にもとづいて書いてあるので、かなり古いと言っても過言ではない。あれから数年のあいだに、つまりコイズミ政府のあいだに日本の軍事戦略はイラクに軍隊を送って、表向きは民生のための活動であって軍事活動はしないということになっているし、また一応軍事行動らしきものはとっていないし、死者も0ということになっているけれども、裏では軍事行動がいつでも取れるような訓練なり準備なりを現地でやっているのではないだろうか。いずれにしても2000年時点まで堅守していた専守防衛という立場は表向きは変えていないにしても、実際にはアメリカの世界戦略に組み込まれている。
それにしてもこの本を読む限りでは、世界で2番目の軍事費をもち(ただしGDP比率では1.5%という平凡な数字だが)、東アジアの「不沈空母」とまで言われた割には、ぱっとしない印象をもつのは、もっと軍備を増強せよ、近代的なものにせよ、でなければ抑止力にならないぞという、この著者の執筆動機がはっきりと、読後の印象という形で現われているのだろうか?
たまにケーブルテレビでやっているアメリカの軍事テクノロジーの紹介番組を見るのだけど、その最先端のテクノロジーはすごいことなっているようだ。この本のなかでも完全にデジタル化した場合の、「軍事における革命」(爆弾や弾で人や物を殺傷・破壊するという方法の革命ではなく、爆弾や弾で人や物を殺傷・破壊するにいたるプロセスにおける革命)の最先端のイメージが描かれているが、文字ではその驚異的なリアリティーは伝わってこない。やはり映像のほうが強烈であることは言うまでもない。
でもコスタリカはアメリカの裏庭と言われる中米で軍備を放棄して平和国家を作り上げているのだから、軍備の放棄という憲法9条の精神をいかして、軍備を持たない、いかなる軍事同盟にも加わらないということで、抑止力にすることはできないのだろうか?