山本ゆりこ・アトランさやか『10人のパリジェンヌ』(毎日新聞社、2014年)
女でもないのに、なんでパリジェンヌに興味をもったのか。たぶん毎日新聞社に載っていた書評が上手く書かれていて、私の読書嗜好に合ったのだろう。だいぶ前に図書館に予約を入れたのに、2ヶ月か3ヶ月たってやっと順番が回ってきたくらいだから、結構読んでいた人がいたということだ。もちろん、10人のパリジェンヌが自分の過去と現在を語っているだけの本だから読みやすいのは言うまでもないが、パリジェンヌという響きがなんとも人を惹きつけるだろうことはたやすく分かる。
でも、読んでみて思ったことは、いったい何のために?日本人がこれを読むことにどんな意味があるの?著者たちは「大事なことを丁寧に伝えたいと思う」とまえがきで書いているが、これらの文章のなかにどんな「大事なこと」があるのか私には分からなかった。
たしかに日本人とはまったく違う考え方生き方をしてきた30歳代から80歳代までのパリジェンヌの生活の仕方、ものの考え方を知ることは、翻って私たちにそれらを振り返ってみる、あるいは新しい生き方を見出すのに有益かもしれない。だが、なぜパリジェンヌ?なぜジャポネーズではないの?と思ってしまう。
ここに登場するパリジェンヌたちは、たしかに年齢的にはバラエティーに富んでいるが、共通することは、過去にいろいろ試行錯誤があったにせよ、現在は成功者としてパリに住んでいるということ。信じられないけど、彼女たちの多くがセカンドハウスを持っていて、彼女たち自身は必ずしもそうではないにしてもパートナーや両親がグランド・ゼコール出身というような、ある意味ブルジョワであることなど、本当に、普通の日本人が自分たちの生き方の参考にしようと思うような人たちではないと思う。
それに、もちろん彼女たちだって順風満帆だったわけではなくて、少女時代や結婚してから一度や二度は挫折を味わっているのだろうが、その部分がさらっと軽く流しているために、どんな苦労をしてそれをどんなふうにして克服してきたのか分からない。要するに、当たり障りのないことで済んでいるのがなんだか物足りない。
たしかに「アンアン」などの女性雑誌のパリジェンヌとは一味違うかもしれないが、なんだかなぁ~と思う内容だった。
女でもないのに、なんでパリジェンヌに興味をもったのか。たぶん毎日新聞社に載っていた書評が上手く書かれていて、私の読書嗜好に合ったのだろう。だいぶ前に図書館に予約を入れたのに、2ヶ月か3ヶ月たってやっと順番が回ってきたくらいだから、結構読んでいた人がいたということだ。もちろん、10人のパリジェンヌが自分の過去と現在を語っているだけの本だから読みやすいのは言うまでもないが、パリジェンヌという響きがなんとも人を惹きつけるだろうことはたやすく分かる。
でも、読んでみて思ったことは、いったい何のために?日本人がこれを読むことにどんな意味があるの?著者たちは「大事なことを丁寧に伝えたいと思う」とまえがきで書いているが、これらの文章のなかにどんな「大事なこと」があるのか私には分からなかった。
たしかに日本人とはまったく違う考え方生き方をしてきた30歳代から80歳代までのパリジェンヌの生活の仕方、ものの考え方を知ることは、翻って私たちにそれらを振り返ってみる、あるいは新しい生き方を見出すのに有益かもしれない。だが、なぜパリジェンヌ?なぜジャポネーズではないの?と思ってしまう。
ここに登場するパリジェンヌたちは、たしかに年齢的にはバラエティーに富んでいるが、共通することは、過去にいろいろ試行錯誤があったにせよ、現在は成功者としてパリに住んでいるということ。信じられないけど、彼女たちの多くがセカンドハウスを持っていて、彼女たち自身は必ずしもそうではないにしてもパートナーや両親がグランド・ゼコール出身というような、ある意味ブルジョワであることなど、本当に、普通の日本人が自分たちの生き方の参考にしようと思うような人たちではないと思う。
それに、もちろん彼女たちだって順風満帆だったわけではなくて、少女時代や結婚してから一度や二度は挫折を味わっているのだろうが、その部分がさらっと軽く流しているために、どんな苦労をしてそれをどんなふうにして克服してきたのか分からない。要するに、当たり障りのないことで済んでいるのがなんだか物足りない。
たしかに「アンアン」などの女性雑誌のパリジェンヌとは一味違うかもしれないが、なんだかなぁ~と思う内容だった。