読書な日々

読書をはじめとする日々の雑感

映画『Dr.コトー診療所』

2023年04月30日 | 映画
映画『Dr.コトー診療所』

前のブログでも書いたが、倉吉で映画『Dr.コトー診療所』を観てきた。2月くらいに日本映画チャンネルかなんかでドラマ版のシーズン1を、3月にはシーズン2を放送したので、コトー診療所にハマってしまった。

ドラマ版では、離島での医療、新任医師への島民の不信感の融解、突発的な大事故で多数のけが人、島の子供たちの成長、老人の看取り医療、などのいろんな話題や問題が数回ずつかけて提示・展開していくので、登場人物たちの心の機微の変化なども丹念に描ける。

だからこそ以前の医師の無責任な対応のために妻を亡くして医師へ不信感を抱いている漁師の原剛利の心が少しずつ動いているのも実にリアルに描き出せた。

またなぜ五島先生が島に来たのかも島民たちが理解していくのと同じテンポで見る側にもわかっていくという作りが自然とできていた。

やはりそれは10回、つまり10数時間をかけたからこそ描き出せたのであって、それを2時間という映画の尺に合わせると、無理が生じるのは仕方ない。

しかもこの映画版は、五島先生が急性白血病にかかるという大問題のほかにも、医者になって研修医をしていると思っていた健裕(たけひろ)がじつは成績不振のために奨学金を打ち切られたことから医大をやめていたとか、いろんな問題がてんこ盛り。

漫画の原作者が若手の人と映画版の話をしているユーチューブを見たが、その中で言っていたのは、もともとは五島先生は白血病で死んでしまうということだったが、それを見た原作者がそれはまずいだろうと言ったので、白血病は治ったが、目が見えなくなったという結末にしたとのことだが、これだって、あまりのテンポの速さに取ってつけたような感じが否めない。

ということで、今日からまたドラマ版のシーズン1が日本映画チャンネルで放送されるので、それを録画して観ることにする。楽しみだな。

上に書いた原作者と若手のユーチューブ(数回分あるが、その第2回から原作者が出てくる)


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米子・倉吉

2023年04月28日 | 日々の雑感
米子・倉吉

24日(月)から27日(木)まで、一年ぶりの米子行きだった。一年前には母親が足の骨折(というかヒビ)でひと月くらい入院して退院したばかりだったので、支援のために行ったのだった。今回は生活も順調のようなので、様子を見に行ってきた。

月曜日はデイサービスの日で、月曜日に行くと連絡した時に、デイサービスの帰りが3時過ぎになるという話を聞いていたので、余裕をもって行くことにした。ただ特急の時間とかは決まっているので(車ではない)、米子市立美術館でちょうど「広重展」をやっていたので、そちらに寄った。東海道五十三次がかなり集められていて、興味深かった。

4時過ぎに母親の家に着く。「今日のデイサービスはどうだった?」と尋ねると、行っていないという。「え?どうして?」―「〇〇(私の名前)が来るというから断った。」なんでよ!3時過ぎまでデイサービスがあるからそれに合わせて行くからと言っていたでしょうが!それで着くなりひと悶着(っていうか、母親は反論しないので、私が一方的に言いまくる)。

初っ端から機嫌が悪くなる私。スーパーで買ってきたお惣菜で食事をする。こたつでの生活(腰が痛くなる)、田舎ゆえ地上波で見ることができる番組もすくない、話題もない、そんなで早々に就寝。

翌日(火曜日)は一日中雨で寒い。小雨なら出かけたいと思っていたのだが、けっこうな降りなので、ひたすら我慢。昼食後に訪問介護の人が来てくれる。冷蔵庫の中を見て、今日は買い物は要らないですね、と言って、あるもので卵焼きとナスと豚肉の炒め物を作ってくれた。その後、掃除をしましょうかというので、私が午前中にやったので、やりましたというと、母親と一緒に便所掃除をして、便座カバーを付け替えてくれる。30・40分もいて、帰っていかれた。

週に二回来てくれるのだが、こうしたちょっとしてしたことでもしてくれるために来てくれるのは助かる。

その晩も早々に就寝。三日目は午前中は雨だったが、午後は天気になるという予報なので、松江にある島根県立美術館に行く。米子から松江までは普通電車でも30分程度で着く。美術館はバスで10分程度。平日だし雨だったので人も少ない。写真家の特別展をやっていたが、とくに関心がないので、平常の展覧だけを見る(300円)。その中には、おかっぱ頭の麗子像で有名な岸田劉生の自画像が印象的だった。

美術館入り口


美術館から宍道湖


松江から倉吉に特急で行く。各駅でも良かったのが、連絡が悪くて、4時間もかかるが、特急なら1時間も程度。チェックインまで余裕があったので、ホテルの近くにある今井書店(鳥取県では有名な書店)で本を見ていると時間になった。

ホテルにチェックインして夕食をとり、大浴場であたたまる。今回、倉吉に来たのは『Dr.コトー診療所』映画をみるため。しかも今日(27日木曜日)が最終日なのだ。

しかし開始の10時半までかなりの余裕がある。時間が無駄だな。そこで色々調べてみると、なんとか旧国鉄倉吉線の廃線跡見物ができそう。バスで30分くらいで行ける。しかもちょうどいい時間に便がある。

廃線跡(普通の歩道になっている)


竹林のなかの廃線跡


そこでホテル前からバスに乗る。初めて行くところで、不安と期待。朝が早いので高校生たちがたくさん乗っている。すごい田舎の泰久寺というバス停で降りる。10分も歩くと廃線跡。すごい!こんなところがあるんだ。線路をどんどん歩いて、写真を取る。でも帰りのバスの時間だ。「もっとじっくり歩いてみたい、よし、もう一度来るぞ」と思いながら、引き返し、帰りのバスに乗る。行きと同じ運転手さんだ。



倉吉駅まで戻って下車して、『Dr.コトー診療所』を観て、2時24分発の特急はくとに乗って一路大阪へ。2日目までは天気も悪くて、気持ちも沈みがちだったが、後半は天気も良くなって、久しぶりに良い旅行だった。


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『啓蒙思想の百科事典』

2023年04月19日 | 評論
『啓蒙思想の百科事典』(丸善出版、2023年)

18世紀学会というところが編集をして作られた百科事典である。「刊行にあたって」に「本書は読む事典として企画されており」と書かれているが、もちろんこれを普通の本のように、初めから終わりまで通読しようという人はいないだろう。

自分の関心の分野・項目や、知りたいと思う分野を目次や索引で調べて、拾い読みするのが普通の利用の仕方だと思うのだが、そのようにしてみた場合、あまりにもおそまつだと言わざるをえない。もちろん最大のネックは字数制限だろう。

執筆者一覧を見ると、そうそうたるメンバーが担当しており、私が見た限りでは(ってごく狭い分野のことしか知らないので偉そうなことは言えないのだが)、この人がこれを書いて、この内容なら仕方がないなと思わざるをえない執筆陣だ。

だからこそ余計に字数制限がネックになってたいしたことが書けていない、当たり障りのないことしか書けないというモヤモヤした感情は、執筆者たち自身が痛感していたのではないかと思う。

そのように考えると、このような企てにいったいどんな意義があるのか疑問に思う。本当に意義に釣り合うだけの内容にするつもりなら、4巻ものとか5巻ものにする必要があったと思うのは、私だけだろうか?

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葛井寺へ藤を見に行く

2023年04月17日 | 日々の雑感
葛井寺へ藤を見に行く



近鉄沿線の藤井寺というところに葛井寺(「ふじいでら」と読むらしい)という古刹があって、そこの藤が有名らしいということで、ちょうど藤の季節で、うちの家からも森や林に自生した藤が見える時期なので、行ってみた。

バスで近鉄沿線まで行き、そこから近鉄電車に乗って、数駅で藤井寺駅に到着。忘れていたが、まだ長男が小学校に入ったばかりの頃に、野茂選手を見に、藤井寺にあった近鉄球場まで来た。その試合は雨で流れ、その年が終わると、野茂選手は渡米して大リーグに入ったので、二度と見ることができなくなったといわく付きのところだ。

昼前なので駅の北側にあるイオンにいって昼食を取り、それから駅に戻って、駅からは商店街を抜けるとすぐにある。



門前のお菓子やのおばちゃんが葛餅を売っていたので、試食もさせてくれるし、一つ買ってきた。由緒のある葛餅みたいなことを言っていたが、たんに寺の名前の葛井と葛餅をひっかけただけのもので、私が二つ買おうとすると、かみさんがそれを制して一つだけにしたのは正解だった。

さて肝心の藤は、時期的にまだ早かったの、もともとこの程度のものなのか、期待していたほどの藤棚ではなかった。ただ藤といっても、長く垂れるもの、中程度の垂れのもの、花びらは大きくてほとんど垂れないもの、白い藤などいろんな種類があるものだ。

狭い寺なので、2周してから帰った。

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『コロナの夜明け』

2023年04月09日 | 作家ア行
岡田晴恵『コロナの夜明け』(KADOKAWA、2022年)

2020年と2021年の私のブログは政府・厚労省・東京都や大阪府などコロナ対策のいい加減さに対する怒りに満ちている。

クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスでのコロナ感染の対策のお粗末さから、日本のコロナ対策の行末は見えていたようなものだが、一番の問題はPCR検査抑制、国民皆保険制度があるにもかかわらず、感染して発症しても医療を拒否される・たどり着けない状態に国民を置いた医療放棄政策だと言える。

PCR検査抑制は、「たくさん検査をしてたくさん陽性者が出れば医療が逼迫する」これが政府・専門家会議の言い分であり、橋下徹や木村盛世らがこれをテレビで盛んに代弁した。橋下徹なんかPCR検査抑制を言いながら、自分が発熱すると真っ先にPCR検査を受けていたくせに!絶対に許さない。

この小説を読むと、たしかに最初は保健所関係でPCR検査のできる数が少なかったこともあって、PCR検査そのものが間に合わない状態だったようだが、もともと大学などの研究機関にはPCR検査の機器もあれば、それを使用できるスタッフもたくさんいたし、その後、自動で検査できる機器もできたし、検査そのものも1時間で、30分で、とだんだんと進歩していった(それもこれも日本のメーカーが必死に開発したのだ)にもかかわらず、厚労省・専門家会議は一切これを使用する指示を出さず、最後までPCR検査抑制の態度であった。

いったい誰が感染者なのかわからないからみんな疑心暗鬼になる。未だに多くに日本人がマスクを取らないの(そのもそ誰もいない屋外でもマスクをしている老人などを見ると厚労省・専門家会議の愚策に腸が煮えくり返る)は、PCR検査そのものにもたどり着けない・医療にたどり着けないという現実を知っているから、絶対に感染したくないと思っているからだろう。

PCR検査を「誰でも・どこでも・いつでも」できるようにしておけば、陽性判定が出た人は自主的に自宅待機をする(もちろん家族に感染しないような生活の仕方が必要だが)、症状が出たら、医療機関に相談して、必要な医療を受けるということができるから、医療が逼迫することはないし、ロックダウンなどする必要もなく、通常の経済活動を回すことで、飲食店なんかが潰れたりすることもなかっただろうに。

それにしてもこの著者のような人がいたこと、そして宇都宮市のインターパーク呼吸器内科の倉持仁さんのように、厚労省がすべきことを率先して(ある意味で命と財産をなげうって)自分の医院でPCR検査も中等症以上の患者も医療する、そのために臨時の施設を作るような人がいたことは、唯一の救いだ。

この本のアマゾンのサイトへはこちらをクリニック

最後に、専門家会議、なんなのあれは?専門家でもない人たちがコロナの現実も国民の現実も見ないで、政府に都合のいいことばかり発言していたことを、東京大学の児玉龍彦さんが批判している次のYoutubeを参考に添付しておく。これは2時間くらいの長尺の一部だが、全部を見ても興味深い。






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春日山原始林ハイキング

2023年04月04日 | 日々の雑感
春日山原始林ハイキング


2018年3月に石川をハイキングして以来5年ぶりに友人たちとハイキングをしてきた。まずは私の頻尿問題があって一回パスした(2019年)あと、コロナになってハイキングどころではなくなったこともあって5年ぶりとなった。

5年のあいだ、とくにコロナ禍のあいだに三人とも体力が落ちたり、腰痛になったりして、疲れに疲れたハイキングとなったが、やはり旧友が集まると、あれやこれや話すことがあって、楽しいハイキングとなった。

近鉄奈良駅に10時に集合して、興福寺の横から奈良公園、浮見堂そばを通って、志賀直哉旧居の前を通り過ぎる。しばらく行くと春日奥山遊歩道の入り口があり、今回は能登川という細い川ぞいに進む旧柳生街道を歩いた。そこには夕日観音だとか朝日観音など石崖に掘られた観音像がある。

首切地蔵を少し上がったところにある池のそばで昼食を取った。展望はないが日当たりがよくて、ベンチで弁当を食べならがまたあれこれ身内の話などをする。

ここからは奈良奥山ドライブウエイという道だがまったく車の通らない道(舗装されていない)をほぼ水平に歩く。てっきり急坂を上るのだとばかり思っていたら、さきほどの池のあたりが一番高い位置にあるそうで、あとは下りか水平の道ばかり。

一時間も歩いてやっと若草山の頂上に着いた。初めて見る眺望だ。天気はいいし、ちょっと霞んでいるが、よく見える。ここでもしばらく休憩をして、若草山下山コースを下る。下まで降りると、もう観光客でいっぱい。春日大社の参道をまっすぐ降りて、JR奈良駅へ。5時間のコースであった。

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