マドレーヌ・ピノー『百科全書』(クセジュ文庫、2017年)
有名なディドロとダランベール編集の『百科全書』についての、コンパクトな解説書がクセジュ文庫から出た。
解説書といっても、『百科全書』の内容についてはほとんど触れられておらず、
『百科全書』が出来上がるにいたった様々な出来事(出版者による企画、ディドロとダランベールが編集者になってからの出版企画の変貌、出版後の諸批判、出版差止め、出版協力者の内紛、ダランベールの離脱などなど)
執筆協力者、図版協力者、様々なバージョンの説明などが内容となっている。
もちろんこれらの内容は最新の研究成果をもとに書かれているわけだが、『百科全書』ってなに?どんな内容を持っているの?後世にどんな影響を与えたの?というような、基本的だけれども、重要な疑問をもっていて、関心があるという読者には、あまり役に立たないと言っていい。
私は大学の仏文科に入ってから、初めてクセジュ文庫というものがあることを知って、その網羅主義的な編集方針に感心して、いくつか読んでみたことがあるが、まず「面白かった」「夢中になって読んだ」というものは一つもなかった。
もともとフランスの大学出版局、通称PUFが学生向けに始めたもので、大学生の教養を培うことを目的としたもののようだ。したがって、最新の研究成果をもとに書かれているのだろうけれど、まるで教科書を読んでいるようなかんじで、面白くもなんともない。
今回の『百科全書』はNo2794ということで、ものすごい数の本が出されている。タイトルだけ見ると、「わぁ、面白そう」と思うものが多いが、私としてはあまりオススメできない。
有名なディドロとダランベール編集の『百科全書』についての、コンパクトな解説書がクセジュ文庫から出た。
解説書といっても、『百科全書』の内容についてはほとんど触れられておらず、
『百科全書』が出来上がるにいたった様々な出来事(出版者による企画、ディドロとダランベールが編集者になってからの出版企画の変貌、出版後の諸批判、出版差止め、出版協力者の内紛、ダランベールの離脱などなど)
執筆協力者、図版協力者、様々なバージョンの説明などが内容となっている。
もちろんこれらの内容は最新の研究成果をもとに書かれているわけだが、『百科全書』ってなに?どんな内容を持っているの?後世にどんな影響を与えたの?というような、基本的だけれども、重要な疑問をもっていて、関心があるという読者には、あまり役に立たないと言っていい。
私は大学の仏文科に入ってから、初めてクセジュ文庫というものがあることを知って、その網羅主義的な編集方針に感心して、いくつか読んでみたことがあるが、まず「面白かった」「夢中になって読んだ」というものは一つもなかった。
もともとフランスの大学出版局、通称PUFが学生向けに始めたもので、大学生の教養を培うことを目的としたもののようだ。したがって、最新の研究成果をもとに書かれているのだろうけれど、まるで教科書を読んでいるようなかんじで、面白くもなんともない。
今回の『百科全書』はNo2794ということで、ものすごい数の本が出されている。タイトルだけ見ると、「わぁ、面白そう」と思うものが多いが、私としてはあまりオススメできない。