堤未果『アメリカから<自由>が消える』(扶桑社新書、2010年)
「貧困大国アメリカ」の著者である堤未果さんのアメリカシリーズの一つで、9・11「テロ」後に起きたアメリカでの自由圧殺の動きを詳細に追っている。
空港での過度なセキュリティ・チェック(たとえば乗客を裸にするミリ波スキャナーとか搭乗拒否リストの拡大によって赤ちゃんまで搭乗拒否されるケースがあるとか)、増え続ける街中の監視カメラによってプライバシーが丸裸にされてしまうとか、国民が知らないうちに通過した「愛国者法」によって市民団体や学生の集会やデモが標的になって警察から暴力を受けるとか、令状不要の召喚状によって簡単にFBIや警察に逮捕されるとか、Eメール、ファックス、電話の盗聴、メディアの自粛、ジャーナリストたちの逮捕、科学者や大学教授が簡単に解雇できるようになり口を封じられるようになったとか、とにかく、アメリカのあちこちから自由が消えていきつつある様子は、怖ろしい光景といえる。
9・11はアメリカ人にとっては驚天動地であったにちがいない。あれが本当のアルカイダ系のテロリストたちによるテロであったのかどうかは、いまは置くとしても、建国以来初めて外からの攻撃を受けたのだから、しかもハイジャックした航空機でもってアメリカの象徴のような貿易センタービルに突っ込んだのだから、そのショックは計り知れないものがあるだろうことは私にだって想像がつく。
戦争と違ってテロリストは「私はテロリストです」と分かるような顔かたちや姿や服装や身振りをしているわけではない。善良な市民がテロリストだったなんてこともあるだろう。だからアメリカ政府はそれを逆手にとって市民の中に疑心暗鬼を生み出させ、匿名での通報などの制度も作って、国民同士が敵対するようにさせて、逆に国民を総動員していこう、政府への批判精神を圧殺しようとしているのだと堤未果さんは警告を発している。
そしてあの9・11がアルカイダによるテロではなくて、以前このブログでも書いたようにアメリカ政府の一部が関与したやらせだったとしたらということで、堤未果さんは今回の事件が、真珠湾攻撃をわざと日本にやらせてアメリカ国民を開戦に導いたときの大統領の陰謀やベトナム戦争にアメリカが関与するきっかけになったトンキン湾事件と同じだと示唆している。
勇気をもってアメリカの危機を告発しているのは、きっと日本もアメリカの後追いをするようになるよという危機感があるからだろう。彼女の活動を応援したいものだ。
「貧困大国アメリカ」の著者である堤未果さんのアメリカシリーズの一つで、9・11「テロ」後に起きたアメリカでの自由圧殺の動きを詳細に追っている。
空港での過度なセキュリティ・チェック(たとえば乗客を裸にするミリ波スキャナーとか搭乗拒否リストの拡大によって赤ちゃんまで搭乗拒否されるケースがあるとか)、増え続ける街中の監視カメラによってプライバシーが丸裸にされてしまうとか、国民が知らないうちに通過した「愛国者法」によって市民団体や学生の集会やデモが標的になって警察から暴力を受けるとか、令状不要の召喚状によって簡単にFBIや警察に逮捕されるとか、Eメール、ファックス、電話の盗聴、メディアの自粛、ジャーナリストたちの逮捕、科学者や大学教授が簡単に解雇できるようになり口を封じられるようになったとか、とにかく、アメリカのあちこちから自由が消えていきつつある様子は、怖ろしい光景といえる。
9・11はアメリカ人にとっては驚天動地であったにちがいない。あれが本当のアルカイダ系のテロリストたちによるテロであったのかどうかは、いまは置くとしても、建国以来初めて外からの攻撃を受けたのだから、しかもハイジャックした航空機でもってアメリカの象徴のような貿易センタービルに突っ込んだのだから、そのショックは計り知れないものがあるだろうことは私にだって想像がつく。
戦争と違ってテロリストは「私はテロリストです」と分かるような顔かたちや姿や服装や身振りをしているわけではない。善良な市民がテロリストだったなんてこともあるだろう。だからアメリカ政府はそれを逆手にとって市民の中に疑心暗鬼を生み出させ、匿名での通報などの制度も作って、国民同士が敵対するようにさせて、逆に国民を総動員していこう、政府への批判精神を圧殺しようとしているのだと堤未果さんは警告を発している。
そしてあの9・11がアルカイダによるテロではなくて、以前このブログでも書いたようにアメリカ政府の一部が関与したやらせだったとしたらということで、堤未果さんは今回の事件が、真珠湾攻撃をわざと日本にやらせてアメリカ国民を開戦に導いたときの大統領の陰謀やベトナム戦争にアメリカが関与するきっかけになったトンキン湾事件と同じだと示唆している。
勇気をもってアメリカの危機を告発しているのは、きっと日本もアメリカの後追いをするようになるよという危機感があるからだろう。彼女の活動を応援したいものだ。