吉村葉子『お金がなくても平気なフランス人』(双葉社、2003年)
『フランス人は太らない』だとか『フランス人は10着しか服を持たない』とか『フランスの赤ちゃんは夜泣きをしない』といった、フランス人をリスペクトした本が最近良く出ている。この本はそうした系列の本の走りのようだ。
ファッションの国、ヴィトンやエルメスなど、パリジェンヌの生き方など、フランス人はファッションやヴァカンスなどにお金をかけている国民と日本人から思われているようだが、そんなことはないですよ、フランス人は堅実で、人間づきあいにしても物やお金のやり取りで済ませるような国民ではなくて、お喋りをとおして人間関係を大事にする国民ですよということを教えてくれる本である。
お金の使い方
日本ほど、いかにしてお金を使わせようと頭をひねっている国はない、ということはよく言われる。とにかくお金がなかったら楽しめない国が日本だ。だから、田舎暮らしでお金を使わないような生活をしている人が紹介されていたりすると、けちくさい、しみったれた人みたいに思ってしまう。
香典、お祝い金、冠婚葬祭にお金のやり取りをする国民も珍しい。その香典やお祝い金でまたそのお返しをするのだから、最初から、そんなもの貰わなければいいのにと思う。フランス人は意味のない出費は一切しないという。合理的にできているのだ。
服でもバッグでも、欲しいから買うのではない、自分の身の丈にあったものだけ、必要なものだけを買うのだという。
でも週一あるいは月一の、夫婦水入らずで、レストランでの食事みたいなものにはちょっとお金を掛けるのだろう。
人間関係
自宅に招待したり、招待されたりすることが、信頼の証。成人したら家を出て自立する、そしてパートナーができたら、親しい人たちを自宅に招待することで一人前になったことを示すのだという。そのパーティーもたいていは立食形式の、ざっくばらんな、フレンドリーなもの。
日本のように、主婦が料理作りに忙しくて、ホステスとしての役割を果たせないというようなことはけっしてない。場合によっては、招待された人たちが飲み物や簡単なツマミやデザートを持参してくれる。とにかくお喋りで相手を知ることが一番の目的。日本のように、豪華な料理を振る舞うことが礼儀というようなものではない。
でも、この本の冒頭にも書いてあった。フランス好きのフランス人嫌いがいるという。私なんかさしずめこれだな。
『フランス人は太らない』だとか『フランス人は10着しか服を持たない』とか『フランスの赤ちゃんは夜泣きをしない』といった、フランス人をリスペクトした本が最近良く出ている。この本はそうした系列の本の走りのようだ。
ファッションの国、ヴィトンやエルメスなど、パリジェンヌの生き方など、フランス人はファッションやヴァカンスなどにお金をかけている国民と日本人から思われているようだが、そんなことはないですよ、フランス人は堅実で、人間づきあいにしても物やお金のやり取りで済ませるような国民ではなくて、お喋りをとおして人間関係を大事にする国民ですよということを教えてくれる本である。
お金の使い方
日本ほど、いかにしてお金を使わせようと頭をひねっている国はない、ということはよく言われる。とにかくお金がなかったら楽しめない国が日本だ。だから、田舎暮らしでお金を使わないような生活をしている人が紹介されていたりすると、けちくさい、しみったれた人みたいに思ってしまう。
香典、お祝い金、冠婚葬祭にお金のやり取りをする国民も珍しい。その香典やお祝い金でまたそのお返しをするのだから、最初から、そんなもの貰わなければいいのにと思う。フランス人は意味のない出費は一切しないという。合理的にできているのだ。
服でもバッグでも、欲しいから買うのではない、自分の身の丈にあったものだけ、必要なものだけを買うのだという。
でも週一あるいは月一の、夫婦水入らずで、レストランでの食事みたいなものにはちょっとお金を掛けるのだろう。
人間関係
自宅に招待したり、招待されたりすることが、信頼の証。成人したら家を出て自立する、そしてパートナーができたら、親しい人たちを自宅に招待することで一人前になったことを示すのだという。そのパーティーもたいていは立食形式の、ざっくばらんな、フレンドリーなもの。
日本のように、主婦が料理作りに忙しくて、ホステスとしての役割を果たせないというようなことはけっしてない。場合によっては、招待された人たちが飲み物や簡単なツマミやデザートを持参してくれる。とにかくお喋りで相手を知ることが一番の目的。日本のように、豪華な料理を振る舞うことが礼儀というようなものではない。
でも、この本の冒頭にも書いてあった。フランス好きのフランス人嫌いがいるという。私なんかさしずめこれだな。