読書な日々

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フランス旅行

2006年07月05日 | 日々の雑感
フランス旅行

夏休みにフランス旅行をしようと考えて、いま準備中だ。チケットは確保できた。ひと月以上も前から知り合いの旅行代理店に頼んでいたのだが、なかなかこちらの希望の日は取れなかった。それにしてもこの時期の飛行機のチケットは高いな。たしかにHISとかで安いチケットを売っているが、あれなどはすごく時間がかかるコースである。この年になると20時間とかもかかるようなのは耐えられない。すっとダイレクトで行けるのがいい。

今から20年位前にまだ学生だった頃に30万円のチケットで行ったことがあるが、当時では安いほうだった。だから行きは南回りで、香港、デリー、カルカッタと経由して、やっとロンドンについた。20数時間はかかったと思う。日本を昼過ぎに出て、ロンドンに着いたのが朝の5時くらいだった。行きと帰りの飛行機だけツアーというようなチケットで、そのあいだは自由に旅行してくださいみたいなものだった。私はイギリスには関心なかったのに、ロンドン着。英語はあまり喋れないし、ロンドンついたらその日にドーバーわたってフランスに行こうと思っていたので、ポンドのTCももっていない。いまは円をユーロなどに換金するのは、大きな町なら別に面倒なことはないが、当時はロンドンの町中の銀行で換金しようとしたら、露骨にいやな顔をされた。一緒にロンドンに着いた人たちから(ツアー仲間というほどのものでもないが、20時間も隣り合わせに座っていたので、なんとなく知り合いになる)、せっかくロンドンに来たのだから、一泊していったらと勧められて、それもそうだと思い(と計画性があるようでないのが、私なんだな)、彼らと一緒に駅前のB&Bに一泊して、大英博物館などを見物した。私はパリの知り合いにロンドンに着いたその日にパリに向かうとあらかじめ連絡したあったので、一日ずれることを知らせようと電話をかけかけたのだが、国際番号というものを知らなかったために、連絡が取れなかった。ロンドンでは眼鏡をかけた日本人という外観からか知らないが、ずいぶん人を馬鹿にしたような態度をあちこちでされて、嫌な思い出しか残らなかった。

さて無事パリの北駅に着いてみると、もちろん例の知り合いはいない。そこで電話をしてみたのだが、留守だった。時間も時間だったので、かねてから調べてあった(とここではなぜが準備がいい)、北駅ちかくのHotel de l'Europeというところで部屋を確保した。そこからもう一度知り合いのところに電話すると、やはり留守のよう。仕方がないので、電話に出たコンシエルジュに伝言を頼んだのが、私のアクセントの置き方が悪くてl'Europeがなかなか伝わらない。何度かルーロップと繰り返しているうちに、相手が気づいたようで、アー、オテル・ドゥ・ルロープ?と、ようやく分かってもらえた。これはこれでいい経験であった。それから1時間くらいして知り合いがホテルまで来てくれて、一緒に食事をした。そのときに飲んだビールのおいしかったこと。ずっと緊張していたからだろう。

翌日は、その友人に連れられて、パリの14区にあるシテ・ユニヴェルシテールに行った。ここは世界各国の資産家が私財を投じて留学生受入れのために造ったメゾンが集まっている区画である。通常は長期留学生の施設なのだが、夏休みは部屋が空いていれば、一時的な滞在者にも貸してくれる。とにかく部屋代が安いし、シテの敷地内にはレストランもあるし、治安もいいので、ここを拠点にして、フランスのあちこちを旅行するのに最適の施設である。私はその友人が住んでいたキューバ館に入った。現在も大学生とか大学関係者であれば、そういうことができるようだ。

そのキューバ館の友人とはシャルトルに一緒に行ったくらいでそれほど一緒に観光はしなかったが、そこに画家で東京のほうの大学の教授もしているSさんという人がやはり留学中で、この人とはパリの美術館に一緒に行った。パリのような街は画家や美術に造詣の深い人にとってはたまらない所だろう。美術館はたくさんあるし、街そのものが絵の対象になる。ギュスターヴ・モロー美術館もそのときに知った。パリで一番古いとか言われるサン・ジェルマン・デ・プレ教会での夜のコンサートもよかった。夕方になるとステンドグラスから夕日が入ってきてそれはえもいわれぬ華麗なものだった。その光の乱舞も薄れた頃、名も知らぬ室内楽団がヴィヴァルディを演奏した。演奏が終わると後ろのほうから「ファンタスティック!」なんて声もあがった。こういうときに「ファンタスティック」って使うんだなと思ったものだ。なんせテレビのコマーシャルの「ファンタスティック」しか知らなかったものだから。

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