読書な日々

読書をはじめとする日々の雑感

「へんないきもの」

2006年06月16日 | 自然科学系
早川いくを『へんないきもの』(バジリコ、2004年)

タイトルどおり、へんないきものを、イラストと解説で紹介する図鑑のようなものです。解説の面白さもこたえられない!それにしてもへんやいきものがいますなー。

タコブネ たこの一種のようだが、オスは八本の足のほかに、「ペニス足」をもっていて、それをメスに挿入すると、その足が切り取られてしまう。解説が面白い。「チントレと称して日夜その種の鍛錬に励む諸兄におかれては、前を押さえて逃げ出したくなるようなフロイト的悪夢である」。まさに!

キンチャクガニ イソギンチャクを両手(両足?)にもっているのでまるでボンボンをふっているチアリーダーのように見えるカニ。二匹のカニが顔をつき合わせて、ボンボンを振っていることがあるが、「先輩のチアリーダーが後輩に「クリスティ、そうじゃないわ、こうよ!」と指導しているのでは無論ない」という解説も、またいけてる!このカニ、道具を使う唯一の無脊椎動物などとおだてられているらしいが、「一向にそこに気づかぬあたりが甲殻類の限界というものであろう」というコメントには噴出した。

このような「へんないきもの」が満載の本なので、一気に読んでしまうのはもったいない。私はトイレに置いておいて、まいあさトイレに入ると、3っつから4っつの「へんないきもの」を読んでいる。トイレという閉ざされた空間で「クックック」とおなかを捩じらせながら読んでいる。おかげで、毎朝、快便だ。

まぁこの世にはへんないきものはごまんといるので、あげたらきりがない。レストランで、「じゃぁ、おれ、甲殻類もらおうかな」と仰る方やら、麒麟麦酒専門店で「私、スーパードライがいい」とのたまう令嬢やら、「歩く下心」などなど、一度人間のなかの「へんないきもの」を集めてみるのも面白いかもしれない。この本を出版した出版社のパジリコでは「へんないきもの」を大募集しているらしいから、さっそく送ってみることにしよう。

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