読書な日々

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絵画盗作問題

2006年06月04日 | 日々の雑感
絵画盗作問題

朝日新聞のテレビコマーシャルで「言葉は愛、言葉は力...」というのがあるが、あれは富士フイルムのコマーシャルでオノヨーコが「photo is love, photo is memory...」と言っているののパクリだとすぐ分かる。しかし、朝日新聞だから「言葉は...」であり、パクリといっても「言葉は...」というのと「photo is...」という繰り返しの手法が同じだけで、一応、メディアとしての朝日新聞のスタイルはオリジナルなものになっている。だがこれだって富士フイルムが盗作だと訴えれば、どうなるかは分からない。限りなくグレーゾーンにあると言っていい。

だがいま問題になっている和田義彦なる人物の盗作疑惑については、素人が見ても盗作にしか見えないけど、どうなんでしょう。テレビなんかで報道されているのを見ると、構図から、色彩から、何から何まで原作のスギ氏の作品と同じで、どこに和田のオリジナリティーがあるんだろう?と思ってしまうけど、専門家から見たら、オリジナルに見えるんでしょうか?いったい何をもってオリジナルって言うのかな?

この和田という人は東京芸大を出た後、イタリアに留学し、そこでスギ氏に出会ったとのことで、その後も頻繁に彼のアトリエを訪れては写真をとっていたらしい。イタリア留学中はオリジナルな作品がまったく描けず、美術館でかつての巨匠たちの作品の模写をしていた。その模写の腕前は相当なもののように見えましたよ。おとついの昼のワイドショーでその頃の模写作品を見せていましたが、かなり上手に見えました。その後、名古屋芸大の教授になり、89年に夫人をなくしてからスランプに陥り、その後、一連の問題作品が出品されるようになったとのことだ。

同じくワイドショーによると、日本の美術館関係者-美術館の学芸員とか画廊関係者-のあいだではスギ氏はまったく無名のようで、おそらくこの和田という人はそのアタリの事情をよく理解した上でこういうことをしていたのではないかという話だった。こんな作品が今春の芸術選奨の美術部門で文部科学大臣賞を受賞したというのだから、問題の根は深いんじゃないでしょうか。この賞は10人の推薦人によって推薦された作品や芸術家を7人の専門家審査員が決定するという方式のようだが、彼ら審査員が専門家といいながら、イタリアでは知らぬ人のいない画家の作品との関係になんら気がつかなかったとしたら、どこが専門家?と首をひねりたくなりますよね。文部化学大臣賞にしてこれだから、いまコイズミは野口英夫賞とかを創設しようとしているらしく、ノーベル賞に負けない賞にしたいといっていると昨日のテレビで報道していましたが、冗談じゃないよ!

ちょっとインターネットで調べたら、セクハラかなんかで名古屋芸大を辞めただの、国画会では以前からやばいというような話があっただの、いろいろ書かれていますね。ほんと、日本のこういうところ、閉鎖的特権社会的閉鎖性(?)っていやだね。だからコイズミの「自民党をぶっこわす!」がえらい人気になったわけだけど、そのおかげで、壊さなくてもいいものまでぶっこわされて、私ら泣きをみてますわ。

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