読書な日々

読書をはじめとする日々の雑感

「コンドル」

2006年06月12日 | 映画
シドニー・ポラック監督『コンドル』(アメリカ、1975年)

昨日かみさんと夕食後テレビを見ていて、たまたま見始めたところが、ちょっと衝撃的な場面だったので、そのまま最後まで見てしまったのだが、けっこう面白かった。

1972年の石油ショック(OPEC諸国が原油の価格を引き上げたために、原油によってガソリンやティッシュペーパーなどの日常製品の製造に大幅な支障をきたし、日常生活がパニックに陥ったこと)以降、中東戦略の建て直しを計っていたアメリカのCIA内部で、中東諸国の軍事戦略を練っていた幹部が暴走しつつあったところに、ロバート・レッドフォード扮するコンドルがたまたま探偵小説の内容を報告書に書いたために、その幹部からコンドルの属する17班全員が何者かによって射殺されるということが起きる。コンドルはたまたま昼食のサンドイッチを買いに出かけていたために難を逃れた。しかし、彼はCIAの上層部からの指示で知り合いのサムを介して上層部に会うことになっていたのに、サムは殺され、自分も殺されそうになったために、上層部のことが信じられなくなり、一人で真相を解明しようとする。サムの妻に会いに出かけたところで、射殺実行犯の殺し屋と遭遇し、また彼が潜入していた女性の家にやって来た別の殺し屋から実行犯の泊まっているホテルを突き止め、ベトナム戦争で通信兵をやっていた関係から通信機器には詳しく、それを使って殺し屋とCIAのだれが関係しているのかを突き止める。その幹部の自宅に入り込み、彼から真相を聞きだそうとしているところへ、例の殺し屋がやってきて、これまでかと思わせたところで、逆にこの幹部が彼に殺される。この殺し屋は、事態を収拾しようとしたCIAから雇われて、この幹部を殺すように頼まれたらしい。この殺し屋はコンドルを殺すという使命は終わったといってコンドルを殺すどころか、逆にヨーロッパに逃げることを勧める。

この年、私は大学生で、石油ショックの頃はトイレットペーパーがスーパーからなくなるとか、テレビで大騒ぎになっていたこと、大阪では御堂筋線の淀屋橋駅(なぜかここばかり思い出すのだが)のホームの蛍光灯が半分くらいに減らされて(電力節約のため)暗かったことを思い出す。おまけに就職難で、ずいぶん暗い時代だったような気がする。そういうことを思い出しながら見ていたら、レッドフォードが通信兵だったという特技をいかして、たくみに殺し屋の居所や、彼に指示を出したCIAの幹部を突き止めたりするので、面白かった。どうも私は、普通に見える人がその特技を生かして事態を切り抜けるというような場面を見るのが好きなようだ。最近の下らない映画よりも、よほど面白かった。

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