仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

一人でいる能力②

2014年02月13日 | 浄土真宗とは?
「一人でいる能力」とは、“一人でいても一人でない”といった感性のことでしょう。この能力の欠如が、いろいろな関係性の病理を生み出してようにも思われます。

現代社会の心の問題は、自殺や引きこもり、不登校、自傷行為、生きる実感のもてなさなどの現象の上に現われています。

その自殺の原因は、多種多様ですが孤独感や孤立感が自殺願望の一因になっているとも言われています。これは相談する人がいないとも読めますが、一人でいることが孤立感になってしまっているということでもあります。

“引きこもり”もまた、人間関係の不調や人間不信にあるとも言われています。これも環境や職場に適応しなければならないとう常識が不調や不信に元にあり、大勢の人の中で一人でいる能力が欠如しているとも言えます。

リストカットなどの“自傷行為”は、近年、「故意に自分の健康を害する」症候群と呼ばれているようですが、薬物障害・依存・摂食障害などと同類と考えられ、「いつ死んでも構わない」「別にどうなってもいい」「消えてしまいたい」などの虚無感や自爆自棄の気分を抱えていて、これも「一人でいる能力」の欠如のように思われます。

浄土真宗において「一人でいる能力」は、「弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとへに親鸞一人がためなりけり。」(歎異抄)と示されるように、宇宙全体の生命の中に自己を見出すというほどに力強いものがあります。そう思うと、「一人でいる能力」が恵まれる浄土真宗こそ、今が出番といった思いを強くします。
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